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シカは神様にも愛されている ♪

ぼくの住む処は、すぐそばに斐伊川が流れている。

斐伊川とは出雲神話の時代にスサノオがヤマタノオロチを退治したときに、オロチが倒れた場所が川(斐伊川)になったという伝説の川である。

すぐそばにある川なので、犬を連れて散歩に出かけると、珍しい動物に出くわすことがある。夜によく見かけるのはキツネとタヌキである。

タヌキは畑を荒らすので人間に好まれない。しかし、斐伊川の土手を親子で渡り歩いている姿は意外とかわいかったりする。

キツネは夜行性なのか、よくとび跳ね歩いている。車で通りすぎる分にはかわいいけれど、猫や鶏が被害にあったりするので悪者扱いである。

そう考えると、見ている分で楽しいのはキジであろう。キジは雄が派手でかっこいい。


しかし、ぼくはもっと珍しい動物を見たことがある。

水浴びをするシカである


ある夏の日に犬の散歩をしていると、斐伊川河口付近の砂地に2頭の鹿が水浴びに来ていたのである。

島根半島には昔からシカが生息していた。

車を走らせいていてシカにぶつかるという事故も、年に何回かあるそうである(幸いにぼくはない)。いつごろからシカが住み着いたのであろう。きっと中国山地から渡ってきて、それ以来増え続けているのであろう。





古代の地理誌「出雲国風土記」によれば、島根半島の中部は古来、「秋鹿(あいか)郡」と呼ばれていた。その理由は「郡家の正北に秋鹿日女命(あきかひめ)が鎮座していらっしゃるから」だという。秋鹿日女命は出雲神話に登場しない神様なので、地域に根差した神様なのであろう。ひょっとするとこの地にシカがよく見かけられたことからつけられたのかもしれない。

ちなみにこの秋鹿日女命は秋鹿神社に大切に祀られている。


神様の名前にも付けられるくらいだから、シカは古代から愛されてきたのかもしれない。

松江に島根県八雲立つ風土記の丘という記念館がある。そこに珍しい埴輪が展示されている。「見返りの鹿」である。写実性に富んでいて、古墳時代の埴輪の中でも傑作のひとつであろうといわれている。

この埴輪は田所遺跡の窯跡から見つかったもので、そのほかにも馬や家、人物の埴輪が見つかっている。ただこれは古墳に埋葬されたものではないが、ひょっとしていずれ埋葬するものだったのかもしれない。そうかんがえると古代からやっぱりシカは愛されていたのではないかと思いたくなる。



現在は島根半島もシカの農作物被害があり、捕獲したりして頭数を調整しているという。

斐伊川でぼくが見た、あの2頭の鹿たちは今も元気にしているのであろうか。もう一度、あの鹿たちに会いたい・・・・。



なんて、自慢げに息子たちに斐伊川でのシカ遭遇体験をいつも話していた。

ところが最近、三男坊が土手を通って通学するときにシカが河川敷を走っているのを見たという。

おいおい、めったに斐伊川でシカに出会うことはないんだよと、ぼくは疑問視したが、息子は4回も見たという(んな、馬鹿な!?)。

その証拠に携帯で撮った動画も見せてもらった。


ほんとだ、走ってる(涙)


しまいには妻も天気の悪い日に駅まで三男坊を迎えに行った帰りに一緒にシカをみたという・・・・

こうしてぼくのちょっとしたシカ遭遇体験は伝説ではなくなってしまった・・・とほほ。



今回も最後までお読みくださり、ありがとうございました。

出雲にいらした際には、秋鹿神社もいってみてください。

運が良ければ、斐伊川でシカが走っているのを見れるかもしれませんよ ♪

それではお待ちしています m(_ _)m


このヘッダー画像は天野健作さんの画像をお借りしています。ありがとうございました。


こちらでは出雲神話から青銅器の使い方を考えています。

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