出 雲太(いず うんた)

生まれ故郷の出雲にて、出雲神話を読み解く試みをしています。出雲神話とは何なのか。この出…

出 雲太(いず うんた)

生まれ故郷の出雲にて、出雲神話を読み解く試みをしています。出雲神話とは何なのか。この出雲の地で古代に一体何が起こったのかを解き明かしたいと思っています。エッセイ、似顔絵、小説も始めました。よろしくお願いします。

マガジン

  • 似顔絵、100人描けるかな♪

    似顔絵、100人に挑戦します♪

  • 小説

    はじめての小説「骨の消滅」を書いて以来、ちゃんとした小説を書いてみたくなりました。1ダースくらい小説を書いてみたいと思います。いつになるかわかりませぬが、頑張ってみたいと思います♪

  • 楽しく読もう出雲神話♪

    興味深い出雲神話について肩ひじ張らずに楽しく読んでいこうという試みです♪ よろしくお願いします。

  • エッセイ 〈国生み〉 -イザナギ・イザナミ-

    イザナミとイザナミの出会いから国生みをするまでのエッセイ

  • エッセイ 〈国譲り〉 -大国主命が高天原に国を譲る-

    大国主命が高天原の要請に応じて国譲りをするまでのエッセイ

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【小説】 草葉の陰

1.おぞぞ  息子がまだ保育園に通っていたころの出来事。  保育園から帰るなり、「人は死んだらどげなるん?」と聞いてきた。  どうやら園の絵本で習ってきたらしい。妻も困った顔をしていたから、帰りの車内でも聞かれたのであろう。  いつか息子に聞かれると予想していたものの、いまだにその答えは見つかっていない。亡き祖母のように虚仮の一念で極楽浄土を思い続けることもなく、かといって天国があるとも思えない。ましてや、何もなく「無」になるとは、ちと寂しい。「おとうも死んだことない

    • 【似顔絵ファイル 28】 目黒 蓮

      小説を書くようになり、すっかり似顔絵シリーズを怠けてしまった。 他の人にとっては、ぼくが書くような短い小説なんぞあっという間に書いてしまわれるようなものであろうが、ぼくには中々に根気のいるものである。 頭で小説の構想を練るのだが、その中から手にずっしりとくるような重みを感じたら、ようやく書き始める。そうなるまで1週間も2週間もかかってしまう。はなはだ、割の合わない話である。 一応出来ても、そこから手直しが入る。なんども、なんどもはいる。これはやっていて、思いのほか楽しい

      • 【神話エッセイ】 ぼくの癖(へき)

        ぼくには癖(へき)がある。 ぼくは散歩中の犬を見るのがやめられない。 うちは2匹の犬を飼っていると前に話した。その犬たちの散歩当番はぼくの役目。犬たちはぼくのことをバカにしているのか、全然いうことを聞いてくれない。好き勝手な方向に引っ張られていく。もう少し歳をとると、いつ転んでもおかしくないなと思う。 先日などは、散歩の途中で近所のおばさんに声をかけられ、世間話をしようとしたところを2匹の犬たちに思いっきり引っ張られ大こけ。こけた拍子に1匹のリードを離してしまい、犬が逃

        • 【小説】 おぞぞ

          息子が保育園から帰るなり、「人は死んだらどげなるん?」と聞いてきた。 どうやら園の絵本で習ってきたらしい。妻も困った顔をしていたから、帰りの車内でも聞かれたのであろう。 いつか息子に聞かれると予想していたものの、いまだにその答えは見つかっていない。亡き祖母のように虚仮の一念で極楽浄土を思い続けることもなく、かといって天国があるとも思えない。ましてや、何もなく「無」になるとは、ちと寂しい。「おとうも死んだことないけん、よくわからん」というのが正直なところだ。 「まだまだお

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          【神話エッセイ】 井の中の蛙

          今回はこちらの曲を聴きながら読んでくださることをお薦めします。 井の中の蛙 大海を知らず まさにぼくのためにあるようなことばである。 ぼくの小学校は田舎の田んぼの中にあるような学校だったので、クラス数も2クラス(1クラス25人)しかなかった。それが中学になると町家(まちや)のある小学校と一緒になるのでいきなり4クラス(1クラス40人)に拡大した。当然、小学校では中ほどの成績や運動も、中学校に入ればずいぶん下のほうだなと思い知らされた。 それが高校生にもなると、隣の市内の

          【神話エッセイ】 井の中の蛙

          【小説】通学路

           秋晴れの清々しい朝だった。  玄関の郵便受けに新聞を取りに行くと、ちょうど小学生が2人、家の前の道を通って学校に行くところだった。3軒隣の家の子供達で、小学4年と1年の姉弟だった。通学路としては回り道になる。子供の数が減ったため、3自治会が集まって集団登校するようになり、集合場所に集まるのに回り道をするようになったという。  「おはよう」と声をかけると、子供たちは「おはようございます」と元気に返事をした。「いってらっしゃい」と再度声をかけると、「いってきます 」と先ほど

          【神話エッセイ】秋の思い出 その4

          都会はいざ知らず、田舎で車は必要不可欠である。 遠出するときも、近場に行くときも、当たり前だが車は重宝する。そして、おのずと目当ての場所がその先にはある。ぼくらにとって車は目的地に行くための手段である。 ところがあるとき、そうでない場合もあることを知る。 ときは少年時代にさかのぼる。あれは秋のよく晴れた日曜日のことだった。母の里に遊びに行ったときに、暇を持て余したぼくを見かね、おじさん(母の弟)がどこかに連れてってやるといいだした。おじさんも暇だったのかもしれない。ぼく

          【神話エッセイ】秋の思い出 その4

          【神話エッセイ】秋の思い出 その3

          今回の記事は(できることなら)この曲を流しながら読んでください。 ぼくは秋の稲刈り後の光景が大好きだ。 おそらくそれはこどもの頃の記憶のせいであろう。秋晴れの稲刈り後の田園は学校から帰ってくると格好の遊び場に変わる。近所のこども達と野球をする場所になるのだ。 今から考えると小学校から帰ってくるのはだいたい3~4時すぎ。それから秋の夕暮れまでだから5時を過ぎると暗くなり始めるので、1時間もあればよいほうだろう。それだけの時間なのに、ずいぶんと遊んだ気がするのは今でも不思議

          【神話エッセイ】秋の思い出 その3

          【神話エッセイ】秋の思い出 その2

          みなさん、カラーひよこをご存じだろうか? 秋祭りの縁日で的屋がやってくるということを記事にした。 地元の小さな神社のお祭りでは2軒の屋台が出るのが精いっぱいだったけど、隣町のお祭りは盛大で(とはいっても田舎の中ではというほどのことだが)十数軒の屋台が境内を囲むようなお祭りであった。あるとき、カラーひよこなるものを売るお店がやってきた。 まだ小学生低学年だったぼくはそのカラーひよこに一目ぼれ、おじいちゃんにせがんで2匹買ってもらった。確か、黄色と赤色のひよこだったと記憶し

          【神話エッセイ】秋の思い出 その2

          【小説】ノウゼンカズラ

           子供の頃、家の離れに父の会社の倉庫があった。倉庫には外付けの水道が設置されていて、その横に亡き祖母が大切に育てていたノウゼンカズラが植えられていた。  倉庫は赤茶けた鉄製の骨組みにトタンを貼り付けただけの二階建てだった。二階は従業員の休憩所になっていて、泊りの時などは夜遅くまで騒ぐ声が聞こえた。しかしその後景気が悪くなり、次第に泊りはなくなってしまった。その頃になると従業員が倉庫に資材を取りに来る回数も減っていた。ぼくは学校や家でむしゃくしゃしたことがあると、倉庫に行って

          【小説】ノウゼンカズラ

          【神話エッセイ】秋の思い出 その1

          秋になると近くの神社で秋祭りがある。 その神社というのは由緒があるというほどのものではなく、その昔(といっても100年もたっていない)、すぐ後ろを流れている斐伊川が氾濫したときに川上から神社関係のものが流れ着いたらしい。それを奇禍として、地元の名士が集まり、祀ったというのがこの神社の起こりである。 だから祭神がおそらくはっきりしていない。それでも地元のみんなは有り難がってこの神社を祀っている。そう考えると、各地でこのような神社が次々と増えているということの証左にもなる。も

          【神話エッセイ】秋の思い出 その1

          【小説を書く】なぜ小説を書くのか?

          なぜ、ぼくは小説を書きたいと思ったのか? こういうと、誤解があったり、反感を買うかもしれないが、ぼくは別に小説家になりたいというわけではない。 ぼくは出雲神話の真実を知りたいと思い、長年出雲神話について調べている。出雲神話が何を物語ろうとしているのか、(極個人的ではあるが)少しずつ分かるようになってきた。これは出雲神話の解体のようなものだと思っている。その一端については、こちらを参考にしていただきたい。 しかし、その後、noteで出雲神話に関するエッセイを書くようになり

          【小説を書く】なぜ小説を書くのか?

          【神話エッセイ】 名前を調べる時に想うこと

          学生時代、友人から司馬遼太郎さんの歴史小説を勧められ、ずいぶんはまったことがある。 一度はまるとしばらくはずっとその作者の作品を追い続ける癖がぼくにはある。ご多分にも漏れず、司馬作品は10年くらいずっと読み続けた。小説、随筆など、何でも読んだ。そこで「峠」を見つけたのは、ほんとうに幸せなことだったと今でも思っている。 司馬遼太郎さんは幕末ものが有名(竜馬がゆく、燃えよ剣、世に棲む日日など)だが、当然ながら戦国ものもたくさんある。「国盗り物語」、「太閤記」、「覇王の家」、「

          【神話エッセイ】 名前を調べる時に想うこと

          【小説】 手 垢

          土曜お昼の番組「家ついていってイイですか」を何気に見ていて、散らかりっぱなしの部屋が映し出された。学生時代の友人Aのことを思い出した。 Aは4階建てのコーポの2階に住んでいた。バス、トイレ付きの10畳フローリングで、風呂トイレ共同の4畳部屋に住んでいたぼくから見ても羨ましい生活だった。その部屋の汚さを別にすればの話だが。 Aは兎に角、片付けの苦手な青年だった。部屋は所狭しと物が散乱しているのだが、全く気にならないらしかった。ただAが変わっているのは、それに加えて極度の潔癖

          【小説を書く】 書くことの楽しみ

          はじめての小説(もどき)「骨の消滅」を書いて以来、書くことの楽しみを覚えた。 もちろん、これまでにもnoteで1年以上いろいろとエッセイを書かせていただいたが、小説を書くということはそれとは別の楽しさがあることに気付いた。 小説は、自分のこころを掘り下げるのにちょうどいい。そんなことを思っていたのかという再発見にもなる。 今は「骨の消滅」をもう少し推敲したいけれど、もうひとつ、きちんと小説らしい小説を書いてみたい気持ちもふつふつと沸いてきている。 題名は決まっていて「

          【小説を書く】 書くことの楽しみ

          【神話エッセイ】 巨人達の足あと

          唐突だが、ジャズと神話って、親和性があると思う。 例えば、クラシックやロックやポップスの場合、あまりそんな気がしない。何故だろうと考えたときに、ひょっとしてジャズでは伝説的なアーティストのことを「巨人」と呼ぶからなんじゃないだろうかと気づいた。 ジャズジャイアンツとして、チャーリーパーカー、マイルスデイビス、ソニーロリンズ、ジョンコルトレーン等々、みなジャズの巨人と書かれている。例えば、ほかの音楽ジャンルでそのように呼ばれることはあまりない。クラシックジャイアンツ、ロック

          【神話エッセイ】 巨人達の足あと