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ネット中傷「侮辱罪」厳罰化を違う視点から考えること

インターネット上の誹謗中傷への対策として「侮辱罪」を厳罰化することなどを盛り込んだ、改正刑法が、13日の参院本会議で可決され、成立した。

令和4年6月13日

インターネット上での個人への度重なる誹謗中傷により、自ら命を落とす人がいる。芸能人に向けられることもあり、大きな社会問題となっている。

なぜ、インターネット上でそのような問題が起きているのかを考えてみた。
まずは、先日も書いたが、20世紀半ばに登場したコンピューターによる「情報革命」が起こり、知識社会と表され、インターネットの時代になった。
そして、スマートフォンの普及により、TwitterやFacebookのようなソーシャルメディアが現れ、今までのコミュニティーやコミュニケーションのあり方も変わり、現実には出会わなくても、コミュニケーションが取れる時代となった。
若者の興味も、
テレビではなく今は「YouTube」や「TikTok」
タレントではなく「YouTuber」や「TikToker」が人気。

▽”いじめ” や ”不登校” の問題

インターネットの普及により、”いじめ”や”不登校”の背景なども私の時代とは違うのではないか?と考えました。
そこで文部科学省の「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を調べてみた。
そこで、ある事がわかった。(資料は全て調査資料より)

まず、学年別いじめの認知件数について

いじめの状況|学年別いじめ認知件数

調査資料を見て、小学校低学年がかなり多いことがわかった。
それより、小学一年生ですでにいじめが起きていることにビックリした。
いじめの態様は、冷やかしからかい悪口や脅し文句嫌なことを言われるが圧倒的に件数が多かったが、ネットで誹謗中傷がやはり起きており、中学、高校になると件数が増えていく傾向にあった。
おそらく中学生あたりからはスマートフォンを持つことが当たり前になっているからだと感じる。

小学校1.8%、中学が10.7%、高校は19.8%、特別支援学校9%

次に学年別不登校児童生徒数について見てみた。

学年別 不登校児童生徒数

不登校の件数はいじめと比例しない事がわかった。
中学になると不登校の件数が増えている。私の時代はいじめによる不登校が多かった印象にあったが、今はいじめが原因で不登校になるわけではない事がわかった。では、不登校の多い原因は何なのだろうか?

小中における不登校の要因

圧倒的に多かったのが「無気力・不安」
そして不登校児童生徒数は8年連続で増加しているとの事だった。
調査資料にはこのような事が書いてあった。

生活環境の変化により生活リズムが乱れやすい状況や、学校生活において様々な制限がある中で交友関係を築くことなど,登校する意欲が湧きにくい状況にあったこと等も背景として考えられる。

令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

生活環境の変化。
確かに、コロナ禍による生活環境の変化は大きい。
それから中学になると学力テストが始まるから、今までの小学校との環境との違いによるものもあるのかもしれない。
中学に上がると急に親から「勉強しなさい!」と言われる事が増えたり、塾に行く生徒が増えたりするからなぁ。
「学校で良い点を取って成績を上げて良い高校に入る」これは今の20代若者も同じ価値観なのだろうか?

登校する意欲低下。
これは一体なんだんだろうか?
様々な制限(とはコロナ予防のことか?)がある中で交友関係を築くことが、意欲低下に繋がっている、ような書かれ方だがイマイチよく分からない。少し考察してみたい。

▽「無気力・不安」になる考察

無気力はなぜ起きているのか?
一説によると家庭内での状態が大きく関係しているようだ。
両親の不仲だったり、厳しいしつけ、夜遅くまでスマホやゲームなどが考えられている。
それともう一つ、敏感すぎる子ども(HSC|ハイリー・センシティブ・チャイルド)が増えているようだ。家や学校で気を遣いすぎる為に無気力・不安になり不登校になってしまうケースがあるとか。
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う〜ん、ただ私なりの考察は少し違う視点で見てみた。
私の時代との不登校の違いは、

「簡単に学校に行かない選択ができる」
「個人の自己主張が尊重される」

という部分だと思った。それは、親が仕事に行っていて、子ども一人自宅に残しても一人で過ごすことができる。親は「学校に行きたくない」と言われれば無理に行かせることはしないだろう。
そして自宅ではスマートフォンで自分の世界に入り、楽しく過ごす事ができてしまう。
中学からすでにネットの中に自分の居心地の良い場所を見つけているのかもしれない。それが学校に行きたくない理由かもしれない。
中学生にもなれば、不登校についてすぐにネットで調べる事だってできる。
「学校は無理に行かなくていい」
なんて事がネットやメディアで発信されてることもあるので、そんな情報を目にしたら、「あぁ、無理に行かなくてもいいのか。」となるのもわかる。

▽教育や学校側に問題はないのだろうか?

そして、不登校は個人や家庭の問題として考えられる事が多いが、本当に個人や家庭の問題だけなのだろうか?

「学校がつまらないから、家にいたい。」

このような場合、学校側の問題はどうなのだろうか?
学校が楽しい場所になっていない”事にも問題はないだろうか?
少し考えたい。
(ちなみに私は中学時代が一番楽しかった。その時のnote)

さて、今の中学生はZ世代でもないのだ。
Z世代は15歳〜18歳くらいからスマートフォンを持ち出したとされているが、その次の世代の子どもたちです(α世代)。
小学生からスマートフォンを持って、YouTubeやTikTokを観ている。そんな時代を生きている子どもたちだ。どんな価値観を持っていくのだろうか。

だけど、そんな子どもたちを教育する大人ってどうだろうか?
Z世代より前の30代〜40代の大人たち(Y世代)ではないだろうか?

ミレニアル世代・Y世代・Z世代・α世代

私はこのジェネレーションギャップは大き過ぎはしないだろうか?と思ってしまった。
スマホばかりいじっていたら、将来が心配。良い高校、大学に出て安定した会社に就職して欲しい。そう思う親が多いのではないか。

今からインターネットに触れ、プログラミングに興味を持って、ITで起業しろ!もしくは今からやってくるWeb3.0の時代に遅れない様にYouTubeで勉強しておけ!なんて親はそういないだろう。

この世代の子どもたちの未来社会を予測しながら、今やるべき事やコミュニケーションの仕方を教えていける親や教育者が必要なのだと思う。
子どもと同じTikTokを観ている親はどのくらいいるのだろうか?
(TikTokネタでコミュニケーション取ろうと思い私は観ている。笑)
育児や教育の場でこの世代の違いすぎる価値観の押し付けにより、子どもの心に大きな影響はないのだろうか?
もしかしたら、子どもの”敏感すぎる”は今のこの世代ギャップにより生んでしまった現代病なのかもしれない。

私はインターネットで一人の世界で楽しめてしまう時代だからこそ、リアルに友だちと繋がって楽しく遊ぶ「遊び方を教える大人」が必要なのではないだろうか、と思ってしまいました。
学校に行きたくなるような。
友だちに会いに行きたくなるような。

このままネットの中だけで生きていこうとすると、人との繋がりから感じられる幸福が損なわれてしまうような気がしてならないのです。
そのような人が大人になった時に、ネットの中で誹謗中傷をしてしまうのではないだろうか。

▽ネットの世界が当たり前な人を理解する

ちょっと、ネットの誹謗中傷から話がだいぶズレてしまったが、まずはこのインターネット時代で生きてきた人の事を理解することから始めてみたかったのです。
誹謗中傷をしてしまう人は、もしかしたらリアルの世界で苦しんだ人なのではないのだろうか?
ネガティブ感情溢れる人生を生きている人なのではないだろうか?
本当は弱い人間なのだが、ネット世界の「匿名」という仮面を手に入れたことで、攻撃的になり何かの鬱憤をはらそうとしているのではないだろうか?
ネットの文字の先には生身の人間がいるという感覚が失われてはいないか。

だからといって誹謗中傷は良ことではない。
でも法律で「侮辱罪」厳罰化した所でなくなるとは思えない。
ネットで攻撃する人に焦点当てるのではなく、そうなってしまう社会や環境にも目を向けた議論が必要なのではないかと思う。

もっと、誰もが幸せを感じられる社会を作らなければいけないと思いました。

(後記)
後日、違う考えもあるなぁと思い、note更新しました。



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