コントな文学『もったいないおばけと新人記者』
こんにちは、もったいないおばけです。
お前、何で俺が現れたか分かるか?
そうか、分からんかぁ…
新人記者のお前は本来行く筈だったベテラン記者が体調不良で、代わりに急遽アメリカに行って大谷翔平の記者会見に参加した。
そしてお前は記者会見で「大谷選手はお好み焼きとモダン焼き、どっち派ですか?」と質問した。
地方新聞社の記者のお前が記者会見で大谷翔平に質問できるチャンスなんて一生に1回あるかないかのレベルやぞ。
しょーもない質問過ぎて大谷も通訳の一平もWhy?って顔しとったで。
せっかくの機会に何でそんなもったいない質問したんや?
何?
200人以上いる記者の中から、まさか最後列に座ってた自分が当てられると思ってなくて動揺してしまったやと?
何?
憧れのスーパースター大谷選手に質問できると思った瞬間に頭が真っ白になって、気付いたらお好み焼き派かモダン焼き派か質問してたやと?
どういう思考回路やねん!
浮かれ過ぎたな、質問する時だけは憧れるのをやめなあかんな。
それにしても、ホンマもったいない事したなぁ…
でもな…
たった一回の失敗で辞めてしまう方がもったいないで。
新人はな、恥をかいて失敗を重ねながら成長していくもんなんや。
だから、もう一回考え直せ。
お前が今書いてるその辞表は、ワシが一旦預からせてもらうわ。