経済の基礎の基礎を簡単に理解する
最近読み始めた本がある。
プレジデントだったか東洋経済オンラインだったか忘れたが特集で取り上げられていて非常に興味を引いた本だ。
この本は450ページという大容量と本体価格2400円というなかなかのボリュームのある本である。
私は経済にはあまり明るくはない。経済用語を聞いたとしても新聞で少し読んだ程度の知識で実際にインフレだのデフレだの金利だのと言われてもきちんとは説明できないくらいの知識のレベルである。
そんな私がこの本を手に取ったのはこんな時代だからこそである。コロナによって世界中の経済が混乱し人々の行動が抑制されて経済も滞るような事態になっている。
そんな中だからこそ経済についてしっかりと勉強して見識を深めて世界の経済状況について考えたいといういたって真面目な理由である。
かといって今更経済学の教科書のような立派なものを読んで勉強するような時間的な余裕もない。そこでネットで推薦されていたこの本を手に取ってみたのだ。
経済というものが全く分からず予備知識もほとんどない読者が、それ1冊を持っていれば、通勤通学などの間に1日あたり数十ページ分の読書をしていくだけで、1週間から10日程度で経済学の大筋をマスターできる
"はじめに”にあるこの一文を読むだけでこの本は私にしっくりと来る本だと直感が働いた。
実際に非常に文体は読みやすく(この前に渋沢栄一の「論語と算盤」を読んでたかもしれないが)、まるで中学生に丁寧に教えるかのように図や平易な例示がされているので非常にわかりやすいのだ。
一日一章程度が約1時間で読み進められるのですでに私は三分の一くらいを読み進めることできている。それも読みながら今まで読んだ本の中でも圧倒的に肚に落としながら読み進めることができているのだ。
例えば第1章では資本主義の根本的な成り立ちを世界や日本の歴史を遡りながらわかりやすく説明してくれている。
「国民所得=消費+投資」という話はマクロ経済学を学ぶ上で最大の肝となるそうなのだが著者は一つの例示だけで圧倒的にわかりやすく説明されているのだ。
私たち会社員は働いてその代償としての給料をもらっている。そしてそれが家計に入り消費をすることでまた会社に戻り、家計の中で貯蓄に回したものは預け先の銀行が投資をして結局会社に戻る。
そういう図式を頭に描いて意識しながら日々の生活を送っている人はなかなかいないだろう。しかしマクロ経済の根本というのはこの図式で表現されるくらいにシンプルなものだということなのだ。
こういった具合に経済学を知る上でとても大切な根幹をなすような大きなことが非常にシンプルに要点を絞ってさらに理解しやすいよう身近なことを例示をされているので読み進めるのも早く興味が湧くので面白い。
まだ第3章までしか読み進めていないのだが見た目の厳つさに比して非常に噛み砕かれた優しい本である。
こんな時代こそ経済を学んでおいて損はない。
一度経済についてしっかり基本的な知識を叩き込んでおきたいと思う経済初心者にとっては必携の一冊となることだろう。