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ゲーム企画職が目指す専門性について(プランナーのスペシャリスト編)


ゲーム業界11年、ゲーム企画職の山崎一番です。

ゲーム企画職は、エンジニアやデザイナーと比べて、何の専門なんだろうと疑問に思うことが多々あります。
エンジニアやデザイナーは、明日からいきなりなれるものではない専門職だと分かるのですが、ゲーム企画職は専門職なのでしょうか?

もちろん答えは専門職です。
ゲーム企画職(プランナー・ディレクター・プロデューサーなど)は、エンジニアやデザイナーがしない仕事を全て行う何でも屋とよく言われますが、専門性を意識せず漠然と仕事をしていると、雑用係になってしまう危険性があると思います。

雑用係にならないために、ゲーム企画職が目指す専門性を、大きく3つに分類しました。
企画特化系:ゲームプランナーのスペシャリスト
マネジメント系:スケジュールや制作の進行・予算管理、チーム管理
③営業系:社内外への営業や折衝、人材探しや協力会社とのコネクション

専門性とは、"特定の領域に関する高度な知識と経験のこと"という意味になります。
そのため、上記3つ全てを目指すというより、この中のどれか1つを自分の強みや専門性として、伸ばしたほうがよいのでは?というnoteです。

とくに、ディレクターは、①~③が何となく全て求められますが、①~③のどれが自分の強みなのか(または、強みにしたいのか)、意識するとその分野について勉強したり、仕事への意識も向上するので、良いと思います。

①企画特化系:ゲームプランナーのスペシャリスト

ゲームプランナーと一括りにいっても、ゲームデザインなのかレベルデザインなのかキャラ企画なのかシナリオなのか、色々ありすぎるので、ゲームプランナーを細分化して説明します。
仕事としては、ある程度一通りの知識は必要ではありますが、スペシャリストを目指すなら、自分の強みはどれか明確にして、その専門性を伸ばすのが理想だと思います。

▼ゲームデザイナー(ゲームデザイン)

簡単に言うと、ゲームの面白さやプレイヤーが継続して遊びたくなる仕組みを、考えて企画する仕事です。
バトルロイヤルゲームの元祖・PUBGで例えると、
「100人のプレイヤーが1つのマップに集い、最後の1人の生き残りをかけて銃撃戦を行う対戦TPSゲーム。マップは時間経過とともに狭くなる」
といった、ゲームの根幹ルールを企画します。

まさにゲームの遊びや面白さを作る仕事なのですが、あまりにも高尚な仕事なため、これが認められるくらいの人だと、ヒト・モノ・カネが集まってしまうため、肩書きではゲームプロデューサー(またはゲームディレクター)の場合がほとんどです。

事実、私が今まで名刺交換した人の肩書きで、ゲームデザイナーだったのは0人です。
ゲームデザイナーと名乗れるかは置いといて、ゲームプランナーを極めるなら、ゲームデザイナーを目指すくらいの心意気と、ゲームの遊びや楽しさを、分解して論理的に説明できるレベルになるとよいのではと思います。

ゲームデザインの内容は、大別して3種類に分けられると私は考えています。
1.1. メカニクス (Mechanics)
1.2. 調整 (Tricks/Tweaks)
1.3. ゲームサイクル (Iteration Design)

下記noteを引用させて頂きました。

↓ゲームデザインを解説した本を紹介するnoteです
「ゲームメカニクス おもしろくするためのゲームデザイン 」の紹介

今話題になっているゲームデザイナーかえるDさんの「フロー理論」に基いたゲーム理論がとても勉強になりますので、必見です。

・ゲームとは学習を嗜好品化したものである
・人が学習から面白いと感じるには条件がある=フロー理論

私はゲームデザイナーを目指し中のため、ゲームデザインの言語化がまだ難しく、参考noteの紹介をメインにさせて頂きました。

▼レベルデザイナー(レベルデザイン)

またまた、AirighNotesさんのNoteから引用させていただきます。

▼「レベルデザイン」とは
日本語で「ステージ」と呼んでいるもの、これを英語では「レベル(Level)」と呼んでいます。このレベルをデザイン(設計)することを「レベルデザイン」と呼びます。

(引用Note)
3.【レベルデザインのガイドライン】ゲームデザインとレベルデザイン

スマホRPGゲームでのレベルデザインの仕事としては、
・キャラのパラメータやスキル性能の設計
・ステージやイベントの難易度と報酬の設計
・プレイヤーのプレイ時間と達成感の設計
などがあります。

この設計を間違うと、ゲームバランスが崩壊したり、簡単すぎて売上が上がらなかったり、難しすぎてプレイヤーの離脱につながったりするので、重要な仕事です。

レベルデザインができるプランナーは少ない(独断と偏見)ので、極めると市場価値は高そうです。
数字大好き人間向きな仕事のため、好きな人が少ないのが理由なのかもしれません。

▼キャラクター企画(レベルデザイン除く)

スマホゲームは大体キャラゲーですし、キャラを売るためにゲームがあるといっても過言ではないので、キャラクター企画は重要です。
毎月の売上は、魅力的なキャラクターを出せるかによって、ある意味ほぼ全て決まります。
キャラクター企画は、実際はレベルデザインに含むキャラクターのパラメータやスキル性能とセットではあるのですが、ここでは、レベルデザイン部分を除いた、キャラの見た目や設定のみで説明します。

私はこの仕事から逃げているので、想像ですが、
・他社のスマホゲームではどんなキャラが人気なのか
・どんなアニメのキャラが流行っているのか
・人気のイラストレーターを知っているか
・魅力的なキャラクターの設定、必殺技
・売れ線のキャラ絵は?魅力的なキャラ絵は?
など、日頃からアンテナを張り、キャラモチーフ案をストックするのが重要かなと思います。

プランナーではなく、キャラクターデザイナーが担当することもあります。ディレクターなど判断する立場だと、キャラクター企画について理解していないと判断できないので、自分も逃げずに戦わないといけません。

▼シナリオ企画

昨今のスマホゲームでは、シナリオも重視しているので、シナリオに関する仕事も増えてきていると思います。
シナリオライターは社内にはいず、社内でシナリオのプロットを作り外注することも多いので、シナリオに強くなるのも専門性かもしれません。
(私が詳しくないので、説明が少なくなっております)

▼ソーシャルゲーム企画(ソシャゲ屋さん)

2018年のゲームの売上比率は、スマホ:51%、PC:24%、コンシューマ(家庭用ゲーム機):25%となっており、スマホゲームが主戦場なので、コンシューマゲームを作っていた著名なクリエイターも、スマホゲームを作っています。
スマホのスペックが上がり、コンシューマと遜色ないですし。

そのため、コンシューマゲーム出身と、mobageやGREEのガラケー時代からゲームを作り始めたソーシャルゲーム出身のクリエイターによる、合同チームが増えてきているのですが、この出身の違いでも強みに差がでます。

コンシューマー出身:ゲームの遊びや面白さ(メカニクス)の企画に強い
ソーシャルゲーム出身:ゲーム運営やマネタイズの企画に強い


任天堂とDeNAの協業による役割分担が、イメージしやすいと思います。
・ゲームの遊びの楽しさやクオリティ部分は「任天堂」が担当
・Web的な運営や改善ノウハウ(サーバ含む)は「DeNA」が担当

ソーシャルゲームは、ポチポチゲーやもしもしゲーなどと蔑称されることもありましたが、決定ボタンを押すしかアクション性がなく、100Kまでしか表示できない容量制限の中で、何年も続くゲーム企画運営ノウハウは、スマホゲームの開発費が高騰(開発費10億以上が当たり前)した今日、再評価されつつあります。

ソーシャルゲーム出身のプランナーが持っているノウハウとしては、
・運営を考慮したゲームサイクルや報酬設計
・友達がいるからやめないコミュニティ設計
・両者(助ける人/助けられる人の両方)にメリットのあるソーシャル設計
・ソーシャルだから着飾りたくなるアバター設計
・春夏秋冬のシーズンイベント
などなど。

そして、新人類であるスマホゲーム出身のゲームクリエイターは、コンシューマ的ノウハウと、ソーシャルゲーム的ノウハウを兼ね備えた、ハイブリッドなのかもしれません(笑)

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ゲーム企画職が目指す専門性について
企画特化系=ゲームプランナーのスペシャリスト
については、以上となります。

②マネジメント系③営業系は次のNoteで書きます

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