No,89.日本人の5割は日本語がわからない「5行以上の長文を読んで意味を読み取ることができないってマジなん?」
尊敬してやまない東浩紀氏と堀江貴文氏の対談の中で「日本人の5割くらいは5行以上の長文読んで意味を読み取ることができない」ことについてつらつらと書いてみる。
堀江隆文×東浩紀「文脈理解の問題点」
堀江貴文氏は、ブログなどのテキストって、今やニッチと言及していた(彼のブログの登録者数が2万人から増えない現状からの意見)。
たしかに、一般人の私がno-toで発信しているのは、ニッチの中のニッチ。反論の余地無しです。
1.本を読まないことが長文を読めない理由なのか?(考察)
なぜ長文が読めないのだろう?
長文を読むといえば本があげられる。
年代の違いかもしれないけど、個人的にはkindleなどの電子書籍より紙媒体の方がよく頭に入るし熟読しやすい。
もしかしたら、スマホで長文を読むのは疲労感が強いため、結果的に長文を読まなくなり、読めなくなるってことかもしれない。
そこで疑問。本当に昔に比べて本は読まなくなったのか?
紙媒体から電子書籍に移行したことを考慮しても、全体を合わせた部数は減少しているとの見解もある。👇
高齢化による人口構造の変化から、若年層の減少やスマートフォンに費やす時間の増大などが考えられる(引用:2016 年版出版指標年報)。
また1979年と2016年の1年間に1冊以上本よ読んだ人の割合を調べると、1979年より2016年の方が高いとの結果もある(上田、2016)。
これらの結果から、読む人は昔より多く本を読み、本を読まない人は昔より増えたのかもしれない。
しかし本が売れないのは読まないから「日本人の5割くらいは5行以上の長文読んで意味を取ることができない」といことはハッキリ明言できない。
恣意的に考えられるのは、まとめ記事などの情報が次々入ってくる(情報過多)ため、結果的に深く考えるよりより早く処理することを強いられるのが原因かもしれない。※主観です
2.そもそも文章を書く意味について
文章を書くことは論理的に書くことが求められます。感覚的な表現だけでは読み手に伝わりにくく、読み手にとって意味がないかもしれません。
例えば、「あ~寒い」という表現では、読み手にはどのような寒さなのか想像できません。しかし、「‐10度の気温の中、主人公は街中を歩いていた」と具体的な情報があれば、読み手はその状況をイメージすることができます。その上で「あ~寒い」という感覚的な表現が肉付けされれば、より深く理解することができます。
しかし長文で書いたものであっても、個人的な解釈や意見があるため真意が伝わらないことが多いと思っています。
伝える側の語彙力と受ける側の読解力が同じレベルで無いと相違は大きくなるのは必然だといえるだろう。
人に伝えるとは
その理由として、以前、東浩紀氏はこんなことを言っていた。
『論理って正当化の論理と訓練(感覚的)などで学んでいく感覚的な論理とは違う』
正当化の論理とは、結果をどのように論理的に構造化したように見せる。いわば嘘の論理。
例えば、何かを出来るようになるには論理(正当化の論理)で積み上げてやるのではなく、いろんな訓練(感覚的な論理)をやっていく。
それを人に説明するには論理を積み上げて説明する正当化の論理が必要。
つまり全く違う2つの論理(正当化の論理と感覚的な論理)があることになる。
法とか公共的に説明するときは正当化の論理が必要で、訓練で学んでいく感覚的な論理が出来るようなった時に説明するのは、正当化の論理(つまり後付けの論理)になる。
人に教えること(伝えること)は正当化の論理だが、それは嘘だといえる。
訓練の論理(感覚的な論理)を学ばないといけないが、でも教えるときは正当化の論理が必要。
つまり、正当化の論理と訓練の論理の違いなどを理解し学ぶことが重要。
単に出来るようになるだけだと(感覚的な論理)「なんも考えてないが、いい感じの答えを言う奴」みたいなものになる。
多くの人はそれをまともな人間だとは思わない。
例えば何でそうなったのか?を問われた時に「私はこうこうこう言う理由でやりました」と正当化の論理が言えないと公的な場面では通用しない」
このように、人に伝える(伝わる)ことについてとても重要なことを示唆している。
考えさせることが重要
つまり文章に限らず、伝える時点で誤差が生じているからこそ、「そのことについて」をいかに考えさせられるのかが重要。
なんかいろいろ考えさせられた動画でした。
最後まで読んでいただきありがとうございます( *´艸`)
引用文献
上田修一(2016)「大人も本を読まなくなったのか:1979 年と 2016 年の調査の比較 」『三田図書館・情報学会研究大会発表論文集』pp29-32
林智彦(2014) 『「出版不況」のまぼろし? 』 出版ニュースpp、2355, p.28-29
『2016 年版出版指標年報』 出版科学研究所