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エッセイ | スイカ味ってどんな味?
夏になるとスーパーの果物コーナーにはスイカが並ぶ。丸ごとだったり切られていたり。私はそれらの立派なスイカには見向きもせず、カップ入りの細切れスイカを手にとる。
一人暮らしにはこれがちょうどいい。一玉買ってしまえば食べきれずにダメにしてしまう。細切れのカットスイカは一人暮らしに向けられたスイカだと思っている。スーパーの心遣いに感謝しなければならない。
私は夕食を終えお風呂に入り、あとは寝るだけという状況を作り上げると、冷蔵庫から冷えたカットスイカを取りだす。お風呂でほてった体を冷ますにはアイスよりも適任だと思える。
1口食べると冷たいスイカの果汁が口中に広がる。スイカをかむ度にさっぱりした甘みが出てくる。そしてスイカの香りも鼻から抜けていく。
私はスイカの味が好きでない。嫌いでもないのだが、白黒はっきりつけろと言われれば「嫌い」寄りになると思う。
「嫌い」寄りになる理由としては、どうしても感じてしまう「野菜感」が原因になっている。
「そもそもスイカは野菜だろ」という意見は理解している。私もなぜスイカがスーパーのフルーツコーナーに置かれているのかは疑問に思っている。
スイカが野菜だということは分かっている。ただ、あまりにも青臭い。なのに甘い。甘ければ甘いスイカを食べるほど、私の脳内はパニックになる。甘いきゅうりを食べている感覚になる。
私は地元へ向かう電車移動のお供にコーヒーを買おうと思い、近くのスタバに立ち寄った。入り口には鮮烈な赤色で「スイカ フラペチーノ」の広告が掲示されていた。その広告に私は目を奪われてしまい、コーヒーと一緒にスイカ フラペチーノも購入してしまった。
私はカップに刺したストローを見ながらスイカの味を思い出していた。「スタバがスイカの味を忠実に再現していたら、私は耐えられないかもしれない」私は買ったことを後悔しそうになっていた。よくないぞ、そういうところ。
私は恐る恐る吸い込んだ。紙のストローをゆっくりとフラペチーノが上がってくる。こんなにドキドキするフラペチーノは初めてだ。
唇に冷たさを感じる。あと少しだ。もう一度強く吸い込むと口の中が冷たくなる。
「スイカバーだ!」私の記憶中をスイカバーの味が駆け巡った。おいしい。
スイカバーといえばスイカのアイスだが、本当にスイカの味なのかといわれると分からない。メロンバーはメロンの味をしているから、きっとスイカバーもスイカの味をしているはずだ。
正直なところ、スイカバーの味は誰もが見て見ぬふりをしていると思う。私もその1人なのだが、決してまずいことはない。むしろおいしい。スイカバーとメロンバーのどちらを食べるか聞かれれば絶対にスイカバーを食べたいと答える。それほどに好きだ。
スタバのスイカ フラペチーノの味がスイカバーに似た味となっているのは衝撃的だった。
私はスイカについて嫌い寄りのスタンスだったが、フラペチーノはスイカバーに似たおいしい味だ。
もしかして、スイカバーの味とスイカの味は一致しているのかな?
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