磯森照美

はじめまして、磯森照美です。 エッセイを書いています。 書いている内容は全て私の経験した出来事です。

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マガジン

  • 磯森照美のエッセイ集

    投稿したエッセイをまとめています。

  • 磯森照美の思ったこと

    その時に伝えたいと思ったことを集めています。

最近の記事

エッセイ | バスのリズム

仕事柄なのか、公共交通機関を使用することが多い。電車やバスに乗って目的の場所まで行くのだ。私は電車に乗っている時間も好きだが、バスに乗っている時間の方がより好きなのだ。 バスの揺れは心地よい。電車の場合は線路からくる揺れになるが、バスの場合は道路舗装の状態からくる揺れになる。舗装の起伏をタイヤが拾い、私の体を揺さぶる。 この振動がタクシーの場合は酔いやすいのだが、バスだと不思議なのだが酔うことはなかった。 終電を逃した私は駅前をフラフラしていた。正確にはまだ終電は来てい

    • エッセイ | 食べたいもの

      毎月の28日はフライドチキンを食べたいと思ってしまう。ケンタッキーフライドチキンが「とりの日パック」と称して普段よりも安めに販売しているからだ。これが毎月の楽しみなのだ。 以前住んでいた場所では、最寄駅へ向かう途中にケンタッキーの店舗があったために食べる機会は頻繁にあった。引っ越してからは近所に店舗がなかったために諦めていたのだが、数年前に「以前からここにありましたけど?」といった具合に店舗が誕生していた。私は知らなかったため、Uber Eats の店舗一覧を眺めている時に

      • エッセイ | 写真は撮る者の魂も奪う

        「写真は撮られると魂を奪われる」といった迷信を聞いたのは小学生の頃だったはずだ。社会の授業中、先生が幕末に活躍した偉人の写真を見た時に言ったのだ。 当時の私はその言葉の意味が分かっておらず、昔の日本人はシャッターを切る瞬間に魂を魔法のように抜き取られ、写真の中に閉じ込められてしまうと考えたのだと思っていた。 実際に魂が抜かれるということはなく、カメラの技術が未発達であったため、撮影できるまでに時間がかかったことが原因のようだ。同じ姿勢、同じ表情で待つ必要があるため、撮り終

        • エッセイ | 世界は誰のもの?

          今年になって渋谷に来るのは4回目だ。1回目はライブ。2回目もライブ。3回目はコーヒーを買いに。そして4回目もライブだ。 今回行ったライブは a flood of circle(ア フラッド オブ サークル)の『HAPPY YAPPY BLOOD HUNT』だ。ニューシングルの「ゴールド・ディガーズ」のリリースツアー最終日にあたる。前日には今作のプロデュースを務めたホリエアツシが率いるストレイテナーとの対バンも行われていた。 この日の会場はSHIBUYA CLUB QUAT

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        • 磯森照美のエッセイ集
          111本
        • 磯森照美の思ったこと
          31本

        記事

          エッセイ | オム大陸

          日々の生活を送っている中で「たくさん食べたい」と思うことがよくある。テレビ番組では大盛りの料理を提供するお店を特集しており、ネット記事でもそれに似た内容が見られる。しまいにはYouTubeでも大盛りの料理を食べる動画がアップされ、私の頭の中には大盛り料理だけになっていた。 大盛りの料理を食べたいと考えても、私がそれを食べられるかどうかが問題だ。普段の食事ではあまり食べていないのだから、急にたくさんの食事を食べられるわけがない。だが、すごくおなかが空いている朝なら食べられるか

          エッセイ | オム大陸

          エッセイ | 気まずいエントランス

          マンションのエントランスは気まずい空間だ。 私は家に帰る時に「目の前を歩く人が同じマンションの住人ではないように」と祈りながら歩いている。マンションの敷地へ入っていかないでくれ、ポケットに手を突っ込み鍵を取り出さないでくれ、などと考えてしまう。エントランスに一緒に入りたくないからだ。 私の住んでいるマンションのエントランスは狭い。お茶を立てるくらいであれば十分な広さではあるが、見ず知らずの住人同士が一緒に入るには狭い。その上、エントランスにはポストとオートロックキーがある

          エッセイ | 気まずいエントランス

          エッセイ | 温かいコーヒーが飲みたい

          毎日コーヒーを飲む私にとって冬は耐え忍ぶ季節だ。夏であればアイスコーヒーを作って冷蔵庫で冷やしておく。そうすればいつでも冷たいコーヒーが飲める。ホットコーヒーをいれたとしても液体の温度は急激に下がらない。 ただ冬は違う。冬はアイスコーヒーをあまり飲まない代わりにホットコーヒーを飲む。ホットこそコーヒーを楽しめる飲み方だとなんとなく思っているため、ついつい飲み過ぎてしまう。しかし、冬のホットコーヒーはすぐに冷めてしまう。それが問題なのだ。 私はドリップやマキネッタでいれたコ

          エッセイ | 温かいコーヒーが飲みたい

          エッセイ | 共に戦う

          ゲームのコントローラーを机に置き、コーヒーを飲みながら一息つく。さっき休憩してからあまり時間はたっていないが、なんだか疲れてしまった。 子どもの頃は何時間でもずっとゲームをしていられたのに、大人になった今ではそんなことは全くできない。 最近、テレビコマーシャルで『スーパーマリオブラザーズ ワンダー』が発売されることを知ってから無性にこのゲームをプレイしたくなってしまった。 マリオ自体は『スーパーマリオアドバンス4』をプレイしたことがあるくらいで、それ以外はマリオカートし

          エッセイ | 共に戦う

          エッセイ | 祝うの不得手

          友人とLINEでメッセージのやり取りをしていた時に「今日誕生日なんだ」とメッセージが届いた。大学時代からの付き合いであるが、友人の誕生日をこの時初めて知った。 2月や3月、8月や9月のように、長期休暇中に誕生日がある人はお祝いをする機会がないために知らないこともあるのだが、その友人は長期休暇に当たらない月の生まれだった。 「初めて知った! おめでとう!」とメッセージを送ると、喜んでいるスタンプが返ってきた。 メッセージのやり取りがひと段落ついた時に、「これでいいのだろう

          エッセイ | 祝うの不得手

          エッセイ | 信じてしまう

          インターホンの音が部屋に鳴り響く。繰り返し音が続くため、早く止めなければと思い親機に駆け寄ると、画面には作業服を着た若い男性が立っていた。 ここ最近私が住んでいるマンションでは改修工事をしているため、その件で何かあるのかもしれないと思い「通話」のボタンを押す。 「どうかしましたか?」私がそう尋ねると作業服の男性がカメラを見た。 「こんにちは。実は不動産投資の件でこの地域を回っておりまして、良ければお話しできないでしょうか」男性は爽やかな笑顔で話しかけてくるが、私の頭には話

          エッセイ | 信じてしまう

          エッセイ | キレイな映像は大画面で

          最近の私は時間を見つけて映画を観るような生活を送っている。映画館に行くのではなく家で観ている。その上、テレビではなくタブレットで観ているものだから、小さな画面を目の前に置いている姿はフライト中に渋々映画を楽しんでいる人のようだろう。 タブレットで見ている理由は入浴中に観たいからだ。ただ、気温が低くなってからはお風呂の湯温がすぐに下がってしまうため、そろそろ入浴中に映画を観るのは潮時かもしれないと思い始めていた。 ある日の日中に、少し時間ができたため短い映画でも観ようかと思

          エッセイ | キレイな映像は大画面で

          エッセイ | 丸かじり

          子どもの頃はリンゴを丸かじりするのが夢だった。片手ではちょうど持てないくらいの大きさで、両手で持っていたくらいの歳だ。 まるまる1つはおなかがいっぱいになってしまうからダメだと言われ、切ってもらったリンゴを2切れほど食べていた。 リンゴを片手で持てるようになった頃、ついに丸かじりするチャンスが訪れた。家にたくさんのリンゴがあり、消費するスピードが痛んでいくスピードに追いついていなかった。そのため、おやつとしてリンゴが出てきたのだ。 丸かじりした感想は「思ったよりもおいし

          エッセイ | 丸かじり

          エッセイ | いつのまにカーネーション

          実家に住んでいた頃に、道を挟んだ向かいに花農家の住む家があった。今もそこには花農家の方が暮らしているのだけれど、以前はそこにおばあさんも住んでいた。 そのおばあさんは何歳なのかは分からず、腰が曲がっていてもシルバーカーを押しながら元気に歩いている姿をよく見かけた。 家の前にある道をシルバーカーを押しながら行ったり来たりし、たまに疲れたのかシルバーカーに座って休憩していることもあった。 そんなおばあさんだが、年に何度かシルバーカーにどっさりと花を積んで歩いている時があった

          エッセイ | いつのまにカーネーション

          エッセイ | シワを伸ばす

          気温が低くなってきたため秋冬に着ているシャツを出すことにした。前回着てから半年ほどがたっており、その間は引き出しの中で眠っていたのだが、キレイに仕舞っていたおかげですぐに着られた。 シャツは私個人の好き嫌いが激しく、あれは嫌だ、これは嫌いだ、色は白がいいなどと選別していった結果、着ることができるシャツはほんのわずかしかない。 そのわずかなシャツをさまざまなショップから探すのが面倒で、今ではずっと同じブランドのシャツを着ている。 引き出しから取り出したシャツが2着と、全く

          エッセイ | シワを伸ばす

          エッセイ | 違いのわかる人

          「コーヒー豆それぞれの味はカッピングをしないとわかりにくい」と言われたため、私は実際に道具をそろえて挑戦してみることにした。これも趣味はコーヒーと言う私にとっては以前からやりたかったことだ。 道具といってもそこまで必要な物はなく、形状が同じカップをいくつかとカッピング用のスプーンを購入した。 あとは家にあったコーヒー豆を使用することにした。思っていたよりも買いだめていたため4つの種類があった。 どれも飲んだことはあるが、飲み比べをしていないため初の試みになる。 1つ目

          エッセイ | 違いのわかる人

          エッセイ | 川魚

          北海道北見市にある『北の大地の水族館』には「館長が出てくるボタン」があるそうだ。だが「ボタンを押しても館長が出てきません」や「本当に館長はいるのですか?」といったクレームが来てしまっているようで、この件をまとめたネットニュースが面白くてついつい見てしまった。 この水族館へ行ったことはないのだが、何度かテレビで紹介されているのを見たことがある。水族館プロデューサーの中村元がプロデュースしており、「マツコの知らない世界」では「水族館の世界」でたびたび登場している。 私が『北の

          エッセイ | 川魚