「バイアス眼鏡」を使いこなす:偏見を味方にする方法を考える|『「バイアス社会」を生き延びる』の読書感想
「キミ、それ偏見、その考えバイアスがかかっているよ」など会話が良く聞かれる。これらは認知バイアスと呼ばれ、「偏った意見、偏ったものの見方」とされ一般的に良くないこととされている。
なぜ良くないかというと、偏ったものの見方をすると間違った判断をしてしまうからである。なので認知バイアスは無くし、中立な曇りなき眼で物事を見ようという風になる。
しかし、バイアスを取り巻く環境は実は違う。今日は、認知バイアスについて1冊本を読んだので解説したい。(※以下、単にバイアスと表現するときは認知バイアスとする)
バイアスに対する考え方が変わり、もっと気楽にバイアスに付き合っていけると思う。
本記事で取り上げる認知バイアスを具体例から掘り下げてみよう。たとえばどんな認知バイアスがあるか上げてみた。
良く知られる認知バイアス
確証バイアス
自分が正しいことばかり集めてしまうバイアスです。例えば、AとBを選択するとき、Aの支持意見を集めてることで、「皆、Aが良いと言っているからAが良い」としてしまう例である。
自分に都合の良い情報ばかり集めて意思決定する場面である
正常性バイアス
身の回りに異常事態が起こっても、「自分だけは大丈夫」「自分には当てはまらない」と考えてしまうことを言います。
オレオレ詐欺など、「なんであんな詐欺にひっかかるの?」など、自分に限ってはない。と根拠のない理由で答えを出してしまうことです。
その結果、周囲からの注意喚起を受け取れず、結局騙された、災害にあってしまったということがあります。
自己奉仕バイアス
物事がうまくいったとき、自分が頑張ったからと思い、うまくいかない時は、周りや環境のせいにする状態のことを言います。
自尊心を守るため、自分の失敗は認めず、そこは目を向けないことを言います。
意外とありふれている認知バイアス
3つの認知バイアスの例をだしてみたけど、意外と多くないだろうか?思い当たる節がたくさんある気もする。
このように、認知バイアスはいたるところに存在し、自分の意思決定に少なからず影響を与えてくるのである。
矛盾な世の中|自分が感じたバイアス思考
バイアスを認識することで、私も身近にバイアスを感じまくっている。主に仕事の場面。とかく、偏ったものの見方ではだめだ。多面的に検討しなくてはならないと指導を受ける。(指導もする)
そして、多面的な見方をした検討結果や資料を使って説明していくと、「君の説明はわかりにくいんだよ。もっと結論ファーストで余分な情報をカットして主張するところだけ出せば良いよ」と言われる。
つまり、相手を説得するときは都合の良い情報で固めて余分な思考させないようにせよということだ。これはバイアスを巧みに利用して考えを誘導せよと言っているに等しい。
うまい説明・プレゼンの鏡にも見えるが、実はバイアスの常習犯なのである。
バイアスは人が生きていくうえで必要なしくみ
前置きが長くなったが、本書はそんなバイアスの付き合い方をやさしく解説してくれる。本書の主張はバイアスを外そうというのが実はバイアスである。
バイアスは人がストレス少なく生きるための必要な仕組みであり、常にバイアスが存在しているのが世の常なのです。
バイアスがあると早く解決策を出せる
バイアスは偏ったものの見方というけど、言い方を変えると余分な情報をシャットアウトした効率的なものの見方ともいえる。物事を考えるにはそれぞれ適した見方が存在するのだ。
初めから、可能性の低い考え方を排除することで早く回答を見つけられるのだ。
バイアスがないと、1から10まで考えないといけない|脳の限界
バイアスをすべて取り外すと、人はありとあらゆる可能性を考えることになる。多面的に物事をみることは大切だが、完全にバイアスを外すとものすごい演算量になるのだ。
わずか1キロちょっとの人の脳みそだけでは、バイアスをすべて取り払うのには限界があり、それを毎回毎回などできもしないのである。
常にバイアス眼鏡をかけていることを認識しよう|いつでも架け替えられる自分に
肝心なことは、自分も常にいろいろな色のバイアスメガネをかけていることを認識することだという。大事なのは今どんなバイアスメガネをかけていて、臨機応変に適したメガネを架け替えられるようになることだ。
そうすることで、効率的にバイアスと付き合うことができて、偏ったものの見方から解放されやすくなる。
バイアスメガネたくさん持つには日ごろから多面的に考え行動してみる
バイアスメガネをたくさん持つには、チャレンジが必要なようんだ。人は同じ行動を繰り返そうとする。一つの成功体験があると、それが一番無難と考えてそればかり選択する。人の本能というか習性に根差している。
なので、あえて違う選択をして違った風景をみることが大切である。
#3行日記 : 昨日も1つ解決、ダメダメだけど、ダメダメと自分で決めるなかれ
昨日も、お仕事を一つ解決できた。やっつけたといってもいい。やっつけるというとあまり良い評判を聞かない。しかし、一つ一つ片づけていくことはスピード感があり、達成感もあるので自己肯定感もあがり基本的には良いと思っている。
間違っていたら、訂正する所存である。悩んでなかなか進まない(悩むという名の何もしない)より、結果を出していってフィードバックをかけていった方が良いと思うのだ。
本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。