見出し画像

渋沢栄一「論語と算盤」を読み終えて

おはようございます、あんぼです。

もう普通に新1万円札が出現するようになりましたね。

数字が大きくて見やすい

珍しいので記念にとっておこうと思って集めていたら妻に「これからいくらでも出てくるのに?」と現実を突きつけられました😂
確かに!どちらかというと諭吉さんを残しておくほうがいいのか(笑)

さて、その渋沢栄一さんの語りをまとめた現代語訳「論語と算盤(そろばん)」

ずっと頭のどこかにありながら、やっとのこさ読んでみました。

一言でいうと背筋が伸びる本でした。

この感覚はサミュエル・スマイルズの「自助論」、吉田松陰の「士規七則(しきしちそく)」、新渡戸稲造の「武士道」を読んだときと同じ感覚で、要は寝ながら読めない筋の通った良書でした。
それぞれ独立した短編集(実際は講演集)をまとめたような特徴は、下村湖人の「論語物語」も彷彿させます。
そして今後、読むタイミングによって受け取る内容や言葉の濃度が変化する書物になりそうです。

何より私が一番多く心の中でつぶやいたのは『これはいつ書かれたのだ?』ということ。
100年以上前に書かれているのに、発行年を何度か確認して疑いたくなるほど、今でもビンビン新鮮さが伝わるほど現代に通じます。人間の尊厳、多様性、家族の大切さを最大限認めつつ、同時に正しい資本主義の在り方、商売自体は悪ではないことを明記。。この絶妙なバランス感覚!

自分のビジネス感覚と人間としての在り方を本気で考えさせられました。

先程も言いましたがこの本、彼が書いたものというより、彼が語った内容をまとめた講演集。いみじくも孔子の弟子の子貢(しこう)が中心となってまとめた論語とも共通します。

今、算盤(頭・資本主義)に自分の振り子が振られている人には、論語(心・人生哲学)が響くのかもしれません。vice versa(逆もしかり)です。

今の私は・・・どちらかというと論語(心)が試されました💦

日本初の第一国立銀行(現みずほ銀行)を立ち上げ、500以上の会社の設立・育成に携わった「日本の資本主義の父」たる偉業はさておき、特に私が関心を持った事柄・事象としては

  • 競争より共創と言った彼が論争(Debate)を歓迎していたこと(ちゃんと恐れず言い合うことの大切さ)

  • 91歳までの自分の人生を4回に分けて俯瞰しているところ(農家に生まれ、徳川慶喜に仕え、フランス留学から帰ってきたら幕府がないなど、人生そのものが激動。政治家も目指すが、それを一番の無駄な時間と反省)挑戦の連続!

  • 女性関係はだらしなく(本人曰く)、子供を17人授かり、ここだけは妾さん含め家族内ではいじられていたところ(いい家族の雰囲気も伝わる。息子さんの本も読んだが、家族を大事にされていた印象)

  • 姉が精神を崩し、側にいた栄一は突然どなられたり幼少期から大変な思いをしていた

  • それもあり、親が解決のため八卦師(はっけし)=今で言う占い師を呼ぶが、結果を聞いた上で年号の矛盾をついて論破。当時15歳。爽快エピソード!

  • 往年、朝6時からでも来客を受け入れる許容力と人間としての魅力。すべての人とは会わないと言いながら他者、周囲、家族への貢献を一番に考え、さらにそれを実行!

  • 大蔵省の役人だった栄一(35歳)に自ら相談に来た西郷隆盛(45歳 ※これ、西郷さんもすごい!)に対しても率直に言い返す胆力。「いつも西郷さんがやっていることは興国安民法の考えとは反対なのに、今日は相馬藩(今の福島県)のめんどうをみてくれというのはおかしいではございませんか」と。すると「いや、そのとおりだ。私は今日頼み事があってきたのに渋沢さんにしかられてしまった」と西郷さん。普通に帰っていったそう。このやり取りはこの時代背景を考慮すると二人とも圧巻!

時系列バラバラで失礼しました🙏

止まらなそうなので止めますが、私は「論語と算盤」を読み、新一万円札を見る度に「自分はまだまだ!」と気合いが入るようになりました😆

自分のバランス感覚を試される良書でした。

名言集が好きな方はこちらも💓

子孫は生々しい部分もぽろっとぶっちゃけるので好きです(笑)



この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?