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【刺さりまくり】最近読んだおすすめの本『傲慢と善良』

■『傲慢と善良』 辻村深月

みなさんは、「ピンとくる」という経験をしたことがあるでしょうか。

仕事やパートナーに対して、よく「ピンときたんだよね」という言葉を耳にしますが、そもそも「ピンとくる」とは、どういうことなのでしょう。

そんなの感覚的なものじゃないのか?とも思いましたし、考えてもみなかったことですが、この本を読んで「ピンとくる」の正体が分かって、なんとも言えない複雑な気持ちになりました。

この作品は、結婚や婚活が大きなテーマとなっていますが、私としては恋愛小説で片付けたくないです。(朝井リョウ先生の解説にも同じことが書かれていますが、大共感でした。)
とにかくぶっ刺さる言葉にたくさん出会うことができて、これからの人とのかかわり方を考える良い機会になりました。婚活中・婚約中・既婚の方はもちろん、結婚は考えていない・興味がないという方にとっても、人生を歩むうえで大切なことを教えてくれる一冊です。

さまざまな単位で生きる私たちの傲慢さや善良さは、社会で上手に生きていくためには時に必要なものであり、時に大きな障壁にもなる。傲慢と善良は相反するものではなく、矛盾なく共存できてしまうものであるということに、気付かされました。

この物語に登場する人物の中で、自分を誰に重ねるか、誰には感情移入できないのか、立場を変えて読んでみると、また新しい視点が見えてくる気がします。

辻村深月先生の、リアルを映し出す力と、それでいて柔らかく私たちに寄り添ってくれる力が、ページをめくる手を心地よく進めてくれます。

これからの人生に何かしらの迷いがある方には、特におすすめしたい一冊です。

映画も上映中みたいなので、私も来週観に行こうと思います!(架役が藤ヶ谷さん、真実役が奈緒さんのキャスティング、イメージにぴったりで楽しみです!)

ぜひ読んでみてください!

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