海外でサードプレイスを見つける重要性とその方法:現地でのつながりを広げよう!
海外に住んでいると、学生時代の友人や親戚のような自然なつながりが少なく、生活範囲が限られがちです。仕事場だけが交流の場になったり、仕事をしていない場合は孤立してしまうことも多いでしょう。そんな中で、サードプレイス(第三の居場所)を見つけることが、海外生活を充実させる鍵となります。サードプレイスとは、家や職場以外で自分がリラックスして過ごせる場所やコミュニティを指し、特に外国人だからこそ積極的に広げることが重要です。私の経験をもとに、どうやってサードプレイスを見つけ、つながりを広げるかをご紹介します。
外国でのネットワーキングには2段階ステップを踏もう
語学力に問題ない場合は、日本と同様に社交を行えばいいのですが、普通の日本人にとっては、外国ではどうしても語学力の壁が立ちはだかります。
英語力が低いうちは、日本関連のネットワーキングに参加し、その後、英語力アップに伴いネイティブ比率が高い場にシフトしていく2段階のステップととるといいでしょう。
日本人は、「世界中の人が日本や日本食好き!」という自惚れを持っていますが、決してそんなことはありません笑。
アニメや漫画による日本ファンや、近年ではヘルシー志向の和食ファンも増えてきましたが、あくまで日本はアジアの極東の小さな国です。
日本人も、アイルランドどこ?という感じでしょうが、普通のアイルランド人も、日本?へぇ寿司だっけ?程度の認識の人が多くいます。
英語力が低いうちは、日本に関心がない人に自分の「人としての魅力」をアピールし友人関係を構築するのは難しいので、日本に関心がある人と交流を深めながら英語力を高めていくのが結局は近道です。
すなわち、英語力が低いうちは、①日本という共通の関心事、②スポーツなど高い言語能力を必要としない趣味、の場を中心に交流を深め、英語力アップしてきた段階で、自分の本来の趣味を楽しめる場を探すという2段階を経るのがお勧めです。
1. Meetupでの新たな出会い
多くの人が使っている便利なツール、Meetup。https://www.meetup.com/
Meetupには、日本関連のミートアップだけでなく、自分の趣味に合った集まりがたくさんあります。英語に不安がある方でも、日本に関係するミートアップならハードルも低く、新しいつながりを築く最初のステップとしては十分。参加者が、日本に興味がある人に限定されがちな点はデメリットですが、少しずつ英語力を上げていけば、趣味の世界をもっと広げていくことができるでしょう。
また自分の好きなMeetupを立ち上げることもできます(有料会員のみ)。
私もコロナの頃一時期、Online Tea Breakというグループを立上げ、リモートワークをしている個人事業主や会社員など社会的に孤立している人たちとのネットワーキングを行っていました。良い出会いもありましたが、変な出会いもありました。無料のMeetupは良くも悪くも誰でも参加できるので、運営には難しい部分がありますね。
さらに、アイルランドではFacebookの地域コミュニティグループの情報交換も盛んです。地域イベント情報、便利なサービスのシェア、フリーランスのクリーナー、ベビーシッターやピアノの先生情報など、有用な情報交換もあります。このような場所でネットワーキングするのも一案かもしれません。余談ですが、この地域コミュニティで部屋の貸し出し募集が行われることもあるので、家探し中の方は利用するといいと思います。
当然ですが、オンラインでの出会いには不穏なものもありますので、各自注意は怠らないようにしてくださいね。
2. スポーツやアウトドア活動を通じたネットワーク拡大
アイルランドでは、スポーツを楽しむコミュニティが非常に盛んです(日本もそうですね)。
ハイキング、ウォーキング、ランニング、カヤック、バドミントンなど、様々なスポーツ活動を社交の場として楽しんでいる人が大勢います。前述のとおり高い英語能力は必要ないので、一緒に運動し仲を深めていきましょう。
私も過去、ハイキング、ウォーキング、ズンバなどに頻繁に参加していました。特にズンバは自宅近所で開催されていたものだったので、地域コミュニティのつながりに非常に役立ちました。近所のスーパーや散歩中などにばったりズンバ仲間と出会い、良く雑談をしていました。(アイルランド人は基本おしゃべり好き。)
最近は、ゴルフとボルダリングを趣味にしたいと考えていますが、特にゴルフはなかなかうまくならないんでモチベーションが失われつつあります。。
スポーツを通じて参加できるグループやクラブは、現地の人々とリラックスしながらつながることのできる素晴らしい手段ですね。
3. ボランティア団体への参加
ボランティアで支えられている日本関連イベントとして有名なのが、Experience Japanです。
毎年イースターの季節に開催されるこのイベントには、多くの学生ボランティアが参加するので、若い方々のネットワーキングには最適だと思います。私も何回かボランティアとして参加しました。
近年私が関与しているのは、アイルランドと日本をつなぐボランティア団体であるIJA(Ireland Japan Association)です。
IJAでは、アイルランド人の日本語話者との交流ができる日本語会話クラブや、日本進出や日本投資に関するビジネスセミナーなど、ネットワーキングの場が豊富にあります。こうした団体は、日本の文化や言語、ビジネスに関心がある現地の人々と直接つながる機会を提供してくれるので、サードプレイスを作るのに最適です。
また、昨年からIJA内にてブッククラブも立ち上げました。このクラブでは日本関連の本を読んで議論し、他の日本人やアイルランド人とのコミュニケーションの場を提供しています。今までの選書には、日本の古典、夏目漱石のこころや遠藤周作の侍、ベストセラーとなった嫌われる勇気、現代の作家や作品、東野圭吾の悪意や柚木麻子のバターなど様々なジャンルが含まれています。これらは全て英訳されており、世界でも人気の書籍となっていますが、日本人の解釈とは異なる部分もあり、大変興味深いです。
さらに、元同僚との間ではノンフィクションに特化した別のブッククラブも開催しており、これらのブッククラブは私にとってかけがえのないサードプレイスとなっています。
ブッククラブは単なる一例ですが、自分の趣味や生活スタイルに合ったコミュニティを作ることが、サードプレイスにつながると感じています。ぴったり合うものがない場合は作ってしまうのもいいですね。
話が少しそれますが、私は起業家に対する尊敬と憧れがあります。仕組みや組織を作り、収益を生み出す人々。しかしこの世には、収益を生まないコミュニティを作る人々もいます。ボランティアや趣味の活動はその最たるもの。仕組みや組織を作るのは起業家と同じですが、金銭的利益はない。しかし人々が楽しみや充実感を得られる活動を生み出しているという点では、とても価値ある行動だと思うんですよね。アイルランドに来て、そういった魅力的なコミュニティビルダーに多く出会えたのも、貴重な体験だと思っています。
4. ママ友の輪を広げる
特に子育て中の方にとって、ママ友との交流はサードプレイスを作る重要な手段の一つです。私は子供の保育園で知り合った友人や、近所の親御さんと定期的にプレイデートをしています。こうした交流は、子供同士の関係を育てるだけでなく、親としても貴重な情報交換や支え合いの場になります。これも、仕事や家庭以外の新たなつながりを作る大切な機会です。
子供同士も仲良し、ママ同士も仲良し、という家族を見つけるのは大変ですが、週末にそのような家族と遊ぶと親子ともども楽しく一石三鳥くらいのメリットがあるのでお勧めです。積極的に子供関連の行事に参加して、ママ友を増やしていきましょう。特に情報弱者の日本人には、現地人ママの広く深い情報網が不可欠です!
まとめ:行動を起こそう!
海外生活では、サードプレイスを意識して作らないと、家庭や仕事の場だけで日々が終わってしまいがちです。私自身、ボランティア活動やブッククラブ、ママ友の輪を広げることで、自分の生活が豊かになり、現地の人々とのつながりが増えました。ぜひ皆さんも、自分の興味や趣味を活かしてサードプレイスを見つけ、日々の生活を充実させましょう。
海外生活において、サードプレイスは新しい環境での成長の場です。今すぐ行動を起こし、新しいつながりを広げていきましょう!