#673 概念の階層化についてのお話
私が英語教員として、授業を行っていた時に大切にしていたのは
「階層化」です。
物事を理解する際には、様々な知識的概念が登場するわけですが、それらが上下の概念なのか、並列の概念なのかが、ごちゃごちゃになることがよくあります。
例えば英語の名詞には加算名詞、不可算名詞、抽象名詞などなど様々な「◯◯名詞」が登場しますが、それを個別的に捉えようとすると、頭がこんがらがってしまうことは、容易に想像がつきます。
名詞は概念によって、様々な区別ができるわけですが、その並列関係と上位関係を綺麗に整理することが必要だと言えるでしょう。
(モデルケース)
名詞
加算名詞 不可算名詞
→不可算名詞以外 固有名詞、物質名詞、抽象名詞、 集合名詞、
*ただし、名詞の文脈上の捉え方によって加算か不可算かはしばしば入れ替わる
私が階層を意識したのは、例えば生物や社会。
この世の生き物は、目科属によって生物学的に体系的に分類されているのでわかりやすい。一方、歴史上の〇〇主義と言うのはその概念の上下が非常に曖昧です。歴史ではしばしば民主主義と共産主義の比較が起こりうるわけですが、民主国家においてはその範疇の中で共産党が第一党になることも十分考えられるわけで、すなわち民主主義と対峙するのは独裁主義であると言えます。概念が雑になることで、理解がよりしにくくなる良い例です。
階層の整理は、物事の全体像を把握する上で非常に役立つ概念です。