500円ちょうだいおばさん
千葉県に住んでいる時は
今よりももっとマラソンにハマっており、週3-4回、家の周りをランニングしていた。
普段のランニングは2-3キロくらい先にあるランニングコースがある運動公園まで走り、そこのランニングコースで数周し、自宅に帰る。
これがいつもの流れであり
走り終えると約10キロくらいだった。
しかし、同じところを走っていると
流石に景色に飽きてくる。ある日、今日は全然違う道を走ろうと思い立ち、走っていた。
僕はいつも音楽を聴きながら走るのだが
川沿いにある消防署に差し掛かったとき、僕のランニングに並走してくる人物がいた。
夜走っているため
並走されるまでは全く気づかず、気付いた時にはめちゃくちゃ驚いた。
よく見るとおばちゃん。
頑張って僕と並走している。
驚きながらおばちゃんを見てみると
おばちゃんは何かを言っている。
しかし、僕は音楽を聴きながら走っている為、何を言っているのかさっぱりわからなかった。
変なおばちゃんだなぁ…と思いながら
引きはなそうとスピードアップしてもついてきて、また何かを言っている。
何を言っているんだ…?
少し気になったので、イヤホンを外すと
500円ちょうだい!
500円ちょうだい!
こんな事を僕に言いながら走っていたのだ。
めちゃくちゃ怖くなって、猛スピードで逃げた。
僕がペースアップした走力にもついてきたため
相当な脚力のばばあ。普段から鍛えているのだろうか。そして500円ちょうだいとランナーに話しかけているのだろうか。
恐ろしすぎる。
幽霊じゃなくて人間だったのが更に怖さを増幅させる。
なんとか逃げ切れたが
僕はそれ以来、その周りをランニングコースにすることはやめた。
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