マガジンのカバー画像

引用の効用

85
普段の生活の中から気になったことを、手持ちの本からを引用しながら思考していきます
運営しているクリエイター

#映画

普遍的な「家族」の物語~映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』~

映画『ぼくが生きてる、ふたつの世界』(呉美保監督、2024年。以下、本作)の主人公は、確かに「…

アンマchan
5か月前
4

映画『トノバン 音楽家 加藤和彦とその時代』を観て思った取り留めもないこと…(感想…

先日、2006年に木村カエラ氏をボーカルに迎え再々結成した「サディスティック・ミカ・バンド(S…

アンマchan
8か月前
11

二度と彼のような犠牲者を出さないために~映画『ゲバルトの杜 彼は早稲田で死んだ』…

1972年11月8日。早稲田大学2年生の川口大三郎君が友人と談笑しながら大学構内を歩いていたとこ…

アンマchan
9か月前
3

2024年5月1日~5月5日 酒。読書。観劇。それだけ。GW後半戦

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやり…

アンマchan
9か月前
2

鎮魂の物語~舞台『最高の家出』を観て思った取り留めのないこと…(感想に非ず)

舞台『最高の家出』(三浦直之作・演出。以下、本作)を観た。 53歳の私は主演の高城れにが所属…

アンマchan
1年前
5

何かを見れば(聞けば)何かを思い出す~映画『すべての夜を思いだす』を観て思った取り…

数年前まで、多摩センターにある会社に勤めていた。 サンリオピューロランドもある多摩センタ…

アンマchan
11か月前
3

映画『アンダーカレント』を観て思った取り留めもないこと…(感想に非ず)

映画『アンダーカレント』(豊田徹也原作、今泉力哉監督、2023年。以下、本作)は感想が書きづらい作品だ。 それは内容が難解という意味ではない。 むしろ、「(堀(井浦新)や悟(永山瑛太)といった)物語的な謎」については劇中でほぼ説明されている。 「書きづらい」というのは、本作のテーマが、リリー・フランキー演じる探偵が、主人公・かなえ(真木よう子)に対して問う、『人をわかるってどういうことですか?』という言葉だからで、感想を含め何かを書こうとすると結局、「わかるってどういうこと

現代版・民話の伝承~映画『緑のざわめき』~

映画『緑のざわめき』(夏都愛未監督、2023年。以下、本作)を観ながら、現代を舞台にした地方共…

アンマchan
1年前
2

映画『天国か、ここ?』

『天国か、ここ?』(いまおかしんじ監督、2023年。以下、本作)はとても不思議な映画で、どう説…

アンマchan
1年前
2

2023年8月14日~20日 酒。読書。観劇。それだけ(夏休み後半)

私の「note」のプロフィールは、『酒。読書。観劇。それだけ』とそっけない、というか投げやり…

アンマchan
1年前
2

甫木元空著『はだかのゆめ』(小説版)

2022年に公開された映画『はだかのゆめ』(甫木元空監督)のパンフレットで、甫木元監督自身が映…

アンマchan
1年前
4

誰が見ている「夢」か?~映画『生きててごめんなさい』を酔って曲解~(若干、ネタバ…

映画『生きててごめんなさい』(山口健人監督、2023年。以下、本作)を観終わって飲み屋に入り、…

アンマchan
2年前
8

再びの『それからの大阪』

以前の拙稿『スズキナオ著『「それから」の大阪』片手に「まん防」解除後の大阪を歩く』で、行…

アンマchan
2年前
2

2022年4月9日朝日新聞朝刊の訃報欄

2022年4月9日。 前日飲み過ぎた二日酔いの頭のまま朝刊を開くと、訃報欄に中川イサト氏の名前が載っていた。 「イサトさん、亡くなったんだ……」 記事を読もうとして、ふと隣の欄に気づいた。 「菊池信義さんも!?」 思わず出たため息は確かに酒臭かったが、二日酔いによるそれとは明らかに違っていた。 「五つの赤い風船」中川イサト氏「遠い世界に」は音楽の教科書にも載ったことがあるようで、だから、若い人でも知っているかもしれない。 「五つの赤い風船」(以下、風船)は私が生まれた頃に