餃子は皮から作るの一択
餃子を皮から作るなんて発想は微塵もなかった。イメージはこんな感じ。
作っているのを見るのは楽しいが、自分で作るものではないと思っていた。餃子作りについて書いた記事にいただいたコメントがきっかけだった。
じゅんみはさんからこんなコメントをいただいた。簡単だし、包むのも楽チン、美味しい、楽しい‥‥ほんまかいな?
中力粉。
ある!
もう70%完成。
一緒にコネコネしてくれる人。
コネコネ好きな娘がおる!
90%成功。
あとの10%はわいのやる気ということやな。
50~100個も助っ人がいれば余裕か。奥さんと5人の子どもたちが帰ってくる時間にあわせて作ってみようじゃないか。
まずは小麦粉100g、中力粉100g、塩小さじ1/2をボールに入れて菜箸でまぜまぜ。どのレシピを見てもだいたい同じ感じの分量。これでおおよそ餃子24個分。キャベツやニラなど餡に必要な野菜も今のうちに切っておこう。
ここに熱湯100mlを入れ、菜箸で素早くまぜまぜ。4回やったけど熱湯を少しずつ入れて素早く混ぜる。を繰り返すのが効率がよい。
これをビニール袋にいれてコネコネ。何が正解かわからんままに一つ完成したころで、小3三女が汗だくで帰宅。
お制作好きの三女。朝から餃子作りをすることを話していたので、急いで帰ってきてくれたそうだ。
「わたしもやりたーーーい!!」
一緒にコネコネしてくれる仲間が加わった。
皮を広げて、また畳んでを何度も繰り返す。皮の表面がツルツルの状態になるまで根気よく。
「ハッ!ハァッーー!!」
雄叫びをあげながら皮をコネる娘。
安心して任せていたら激しい音が鳴り出した。
ボコッ!バシ!
「ハッ!ハッ!ハッ!」ボコッ、バシッ!
2人でハァハァ言いながらコネにコネた。生地を丸めたらラップに包んで30分ほど寝かせる。これで水分を浸透させるそうだ。
一休みしてビールでも飲みたいところだが、グッと我慢して今のうちに餃子の餡を作っておこう。30分経ったら、ボール状の生地をコロコロしながら30センチぐらいに伸ばす。十分伸びたらカットしよう。
では皆の衆、集まれぃ!
「皮から作ってるの!すごい!」
仕事から帰ったばかりの奥さんを無理やり仲間に加え、いよいよ生地から皮へ。
生地を丸く伸ばすコツを掴むまでなかなか大変だった。コロコロと伸ばす前に生地を麺棒で均等に平たくしておくのがポイントだ。
次に昼寝から起きた次女を確保。迷惑そうな顔をしていたが、とにかくオレの仲間になってくれ。とお願い。オレと一緒にコネてくれ。
寝ぼけ眼の次女もなんとか仲間に加わり、みんなで懸命に皮作りに励んでいると、テーブルの下から何かゴロゴロと音が聞こえる。
なんとっ!!
ちみも仲間に加わりたかったのね。ミニカーが好きな2歳次男。麺棒車でフローリングを爆走。椅子の間をドリフトですり抜けていく。
おい!!使い方ちゃうで!
まぁいい。とにかく包んでいこう。十分生地を伸ばしたと思っていても、さらに生地は伸びるから包むのはめちゃ簡単。綺麗な◯型じゃなくてもOK。
果たして手作りの皮は、市販のものより美味しいのだろうか?皮が大きすぎる気がするが大丈夫だろうか?
緊張の瞬間…。
口に入れた瞬間…。
肉汁ブッシャァァァー!!
カリカリ、モチモチ、ジュワァァァー
もう一度行きます。
さぁご一緒に。
カリカリ、モチモチ、ジュワァァァー
皮が分厚いから肉汁を逃すことなく、全ての旨みを閉じ込めている。表面はカリカリ、裏はモチモチで餡に辿り着くまでの楽しみが倍増している。
こんなにも旨いものか。口に纏った餃子の旨みをキンキンに冷えたビールで流し込む。クゥーッ……思わず声にならない声が出る。
三女は口の中を肉汁で火傷したにも関わらず、目に涙を浮かべながら無言で親指を高く上げている。アルマゲドンかよ。
「本当にお腹いっぱい。次から餃子は皮から作るの一択だよね」
餃子を100個焼いたホットプレートを見つめながら幸せそうな表情で奥さんが独り言のように呟く。
「お、おう!(まじ!?)」
100個の餃子を作るのに3時間かかったけど、次はきっと2時間半ぐらいで作れるはずだ。
粉があったら70%完成。一緒にコネコネしてくれる仲間がいたら90%成功。あとの10%はやる気と愛情だな。じゅんみはさんの言う通り。
ゴールデンウィークのお家時間に、子どもの日に、君もぜひ肉汁ブッシャァァァー体験してみないか?