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運動は、心と体をどう変える?

 聞くところによると、今年の4月以降、ランニングシューズやダンベル、縄跳び、懸垂マシーンなど、さまざまなエクササイズ用品がインターネット、実店舗を問わず品切れになっているそうです。なかには「例年の4倍も売れた」という店舗もあり、健康志向がますます高まっていることが分かります。

 運動は、心身の健康を実現する手軽かつ効果的な取り組みです。難しそうなメカニズムを理解することなく、誰もがすぐにでも始められます。
 手ぶら(もしくは簡単なアイテムひとつ)で打ち込めるエクササイズは、こんな時代だからこそ、多くの人を魅了しているのかもしれません。


 「健全な体と健全な心で、毎日が充実したものであってほしい」という想いは、メンタル不調で休職や離職に至った方々に復職や就労の支援を行う私たちインクルードも同様です。
 インクルードでは、多くある就労移行支援事業所の中でもあまり例のない「脳科学のエビデンス研究」を基にした支援に加え、復職や就労を目指すための基礎としてさまざまな運動プログラムも提供しています。(YouTubeチャンネルではうつ病やメンタル不調と筋トレに関する動画なども公開しています。)


 今回は、そんな運動が心や体にどのような影響を与えるのかについて、「ニューロワークス大塚センター」で運動インストラクターを務める増田(ますだ)さんにお話を伺います。

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編集部(以下、「編」):
インストラクターと併せて就労支援員も務められているとのことで、ぜひ運動と心身の関係についてお話しいただければと思います。よろしくお願いいたします。


増田(以下、「増」):
よろしくお願いいたします。


編:
まず簡単な自己紹介も兼ねて、運動インストラクターを担当されるに至った経緯をお伺いしてもよろしいでしょうか。


増:
前職では女性専用のトレーニングジムでインストラクターとして勤務しており、トレーニングの指導から食生活のアドバイスまでを行っていました。そこではダイエット目的や筋力増強・健康維持など、さまざまな目的で利用される方がいらっしゃいました。そんな中、運動がきっかけで心身ともに元気な姿になる方々を見て、「より幅広い世代の方や運動になじみのない方に運動を広めていきたい」「好きになってもらいたい」という想いで現在のインストラクター業務に至っています。


編:
インストラクターとしてだけでなく就労支援員としても多くの方々に関わっているとのことですが、就労支援員の立場から見て、運動が利用者の方々のメンタル不調や生活習慣の改善に与える影響や効果を実感することはありますか。

増:
運動の効果に関しては、強く実感しています。「1回の運動で気分がすっきりした」というお話や「長期的に運動を習慣化することで自分に自信がついた」といったお話、または「少しのストレスもうまく頭で切り替えができるようになった」といったお話を聞くことも多く、常日頃の運動習慣が、メンタル安定につながっているのだと感じています。


編:
1回の運動でも効果が感じられるというのはうれしいですね。時間や労力の「費用対効果」という観点から考えると、かなりお得なのかもしれません。

これまでにいろいろな運動プログラムを提供されてきたと思うのですが、その中で特に好きなプログラムやおすすめのプログラムなどがあれば教えてください。

増:
ボクシングプログラムです。私自身、ボクシングジムに7年通っています。ボクシングを通して運動が大好きになり、運動効果を強く実感した大きなきっかけとなったスポーツなので、ボクシングプログラムではみなさんのストレス発散を目的として楽しく音楽に合わせて体を動かせるように工夫しています。

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編:
そういった工夫によって、利用者の方々から直に反響や反応をいただいたりするのでしょうか。


増:
今まで運動を積極的に行ってこなかった方が、「ニューロワークスでの運動プログラムを通じて運動が大好きになり、運動が大きなストレスケアに繋がるようになりました!」と笑顔でお話されたことがありました。運動嫌いな方が運動を習慣化する、というのは非常に大きな課題なのですが、そういった方が一人でも増えればいいなと思って仕事に携わっていたので非常にうれしい出来事でした。


編:
たしかに、運動は始めるまでのハードルが高いイメージがあります。普段から運動をしない方にとっては最初の一歩が非常に大きく、困難だと思います。その最初の一歩を踏み出すことで、大きく前に進めるのかもしれませんね。


増:
以前に、筋肉量が増加して見た目が変わって自信がついたり、自分が強くなれた気がして人に優しくなれたために「少々のことでは怒らなくなった!」といったお話を伺ったことがあります。筋肉は体だけじゃなく心も強くし、人を優しくしてくれるんだなあ~としみじみ思いました。よく利用者さんから課題として言われる、「自己肯定感」や「自己効力感」にも強く影響するのは運動なんだなと感じています。

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編:
そう考えると、運動は単なる動作というよりも、それ以上の大きな意味や可能性があるといえますね。

増田さんはこれまでずっと運動と向き合われてきていますが、運動が持つ魅力や可能性についてはどのようにお考えでしょうか。


増:
「運動は呼吸をすることと同じ!」と思えるくらいに、運動は誰にとっても無くてはならない大切なものだと思っています。運動を行わなくなれば心身ともに不健康になり、体の痛みや病気を患ってしまい、自分の好きな趣味も行えなくなったり、自分らしく生活することができなくなるかもしれません。

だからこそ、周りの大切な方々にはいつまでも自分らしく生きるため、また自身の可能性を広げるためにも運動はなくてはならないものだと思っているので、口をすっぱく、しつこく、周りの方々に伝え続けています(笑)


編:
そういう意味では、メンタル不調で休職されている方々にとっては運動はまさに心身の健康を実現し、新しい第一歩を踏み出すための大きなきっかけになると考えられますね。

多くの利用者が就労や復職、そして安定を実現していく中で、そうした方々に対して運動プログラムが寄与できたと実感されることも多いのでしょうか。


増:
運動プログラムの習慣化によって基礎的な体力が向上している方や、メンタルが安定した方のサポートができたと思える部分ももちろん多くあります。それに加えて、運動の重要性を何度も啓蒙していく中で、他の支援員を含めニューロワークス大塚センター全体の空気として「脳や体、メンタルのために運動を行うことが当たり前」といったものが根付いていることも、運動プログラムの実施で実感できたもののひとつです。


編:
つまり、運動を通じてメンタル不調の方々だけでなく、周囲の支援員の方々も前向きに取り組むことができるようになっているということですね。こうした動きや影響が、ますます広がればうれしいですね。

今後、新しく提供を考えているプログラムなどはあるのでしょうか。


増:
横浜センター大宮センターを含めた全事業所間で、スポーツ大会なども検討していきたいと思っています。

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編:
より多くの方々に運動の魅力や可能性を実感いただく、ひとつの大きな目標ということですね。

増田さんは定期的に他のセンターにも訪れ、ときにスタジオなどに場所を移して運動プログラムを提供されているとのことですが、それとは反対に、私たちが自宅で今すぐにでも簡単にできる効果的な運動などはあるのでしょうか。

増:
自宅でできる運動では、やはり筋力トレーニングのスクワットが一番おすすめです。筋肉量の大半を占めているのは下半身なので、まずは大きい筋肉を増やしてあげることで、効率よく基礎的な体力を向上できます。

また、下半身しか鍛えられないと思われがちなトレーニングですが、実は体全体をバランスよく鍛えられるメニューですので、運動が苦手な方もまずはスクワットからはじめてみることが良いかと思います!

編:
なるほど!
基本的な運動ゆえに、トレーニングの入り口としては最適ということですね。

ちなみに、ここまで運動プログラムを中心にお話しいただきましたが、就労移行支援としてのプログラムには他にもいろいろなものがあると思います。あらためて就労支援員として、これから就労や復職を考えている方に向けてメッセージがあればお願いします。

増:
ニューロワークスでは、生活習慣の改善から就労まで、課題を個人個人のステップに合わせて支援員と一緒に考えクリアしていくので、「いきなり就労移行支援に通うのは少し緊張する」「どんな支援をしているのか不安」という方も、まずは見学に来てみて支援員に相談してみてくださいね!

編:
運動で健全な心身を育みながら、心機一転で就労や復職を目指すために支援いただけるということですね。

就労や復職を目指す上で、いかに運動や体づくりが重要であるかがよく分かりました。今後もさまざまな運動プログラムを提供いただければと思います!

本日はありがとうございました!

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