【ビジネスの未来 エコノミーにヒューマニティを取り戻す】 書評#4
みなさん、こんばんは!(現在22時)
先日noteを始め、私の投稿の軸とする一つ「本」に関する第4弾を書かせていただきます。
自己紹介でも書きましたが、私の軸のもう一つは「犬」「パピーウォーカー」です。
自己紹介に記載したマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思います。
まだまだ不慣れではございますが、何卒よろしくお願いします。
多くの方が読まれていると思いますし、note内でも多くの方がこの本について触れられていらっしゃいますが、私もせっかく読んだので、勇気を出して書かせていただく次第です!
基本情報
山口 周 著
プレジデント社 出版
2020年12月21日 第1刷発行
私が本書に出会うきっかけ
私は、コテンラジオが大好きで、ほとんど毎日聴いている。
本書は、「ポスト資本主義」の話の中で登場する。
つまり、コテンラジオで出てきたから読んでみようと思ったということは間違いない。
あともう一つ、子どもの権利に関することを勉強するため色々読んできたのだが、そのプロセスで民主主義についても読む中で、民主主義と資本主義の関係性みたいなものに興味が湧いた。
その流れでコテンラジオの「ポスト資本主義」の話とがリンクして、本書を手に取るに至った。
きっかけが二つというよりは、二つの要素が環流・連関し、本書に出会わせていただいたとも言えるだろう。
この本の本質・言いたいこと
これまた私の自己紹介の話になるのだが、ある一つの重要なマイルールがある。
それは、『基本的に本文等の引用はしない』である。
本日#4にしてさっそくその禁を破ることにする。
マイルールでは”基本的に”であるから、今回はこれを引用せずして書くことはできないと自分自身に言い聞かせる。
さて、冒頭いきなりこの仮説・問いが投げかけられるのである。
本書はまさに、この仮説に対し自ら立証し答えを導き出すというものなのだ。
さらに驚くべきは、導き出した答えを社会へ実装するための具体的手立てについてまで提案している!!!
私が感じたこと
本書は、第1章から第3章と補論という構成。
三章の中で答えを導き出し、補論でその実現への具体的提案を行なっている。
1点目 〜個人としてのあり方
この中で私が感じたことは、第1に、
「消費を含む個人の行動に責任を持つことの重要性」が指摘されていた点がとても心に響いた。
著者は、次のことを私たちに投げかけている。
自分が辛く苦しいことを、周囲のシステムのせいにして、その場をやり過ごしていないか?
それに対し、自分が「やれること」「やりたいこと」という視点でアプローチしているか?
気候変動への対処、もっと言えばSDGsへのコミットメントは、一個人の問題ではないと思いがちである。
もっと身近な事例で言えば、道端に落ちているゴミ。
捨てる側は、誰かが拾うだろうと考えているか、そもそもそこまで考えていないのか。
ただただ消費して、「あとは誰かにお願いします」。
これでは社会はうまく回らない。
そもそも「その消費は余分ではないのか」。
ここまでを自身に問うていくことが現在の社会における個人個人に求められているということを著者は指摘しているように思えた。
2点目 〜社会のあり方
第2は、第1の指摘を下敷きに、本書は、
『ポスト資本主義の本であるとともに、公共福祉論でもあり、個人としての幸福論』であると感じた。
もっと言えば『民主主義を見つめ直す本』とさえ言える。
それはなぜか。
著者は、
『自分や他人を応援する社会』を目指そう!
と言っていると感じたからである。
言い換えれば、
『自分も他人もワクワクする社会』を志向するということではないか。
みんながワクワクするためには、他人のワクワクする権利を犯してはならない。そのためには、みんながワクワクし合える範囲で境界線を画定する必要があり、それを話し合い調整する必要がある。これを社会のシステムで一定程度確保してあげる必要がある。
これが、上述した「公共福祉」「個人の幸福」「民主主義」を持ち出した理由である。
なお、ポスト資本主義としての考え方については、多くの方が論じていらっしゃるので、そちらに譲ることとしたい。
3点目 〜組織のあり方(私の仮説)
著者は本書の中で、「真に豊かで生きるに値する社会」という言葉を用いている。
1点目を下敷きにした2点目をさらに下敷きにして考えると、
責任ある個人と責任ある個人が、みんなワクワクして生きる社会が出来上がったとき、行政組織は、
▷より必要になるか、不要になるか
言い換えれば、
▷肥大化するのか、縮小化するか、適正/合理化するか
という岐路に立つのではないだろうか。
私は、著者の提案を見たとき、少なくとも今よりもプレゼンスは高まるだろうと感じた。
つまりは、
『人々がワクワクして生きるために欠かせない身近な存在』
になることが、著者の目指す「真に豊かで生きるに値する社会」創りへの重要な鍵になるのではないだろうか。
余談
本書は、私にとって衝撃的な考え方や初めて聞く言葉など、本当に学び多いものであった。
例としてあげれば次の通り。
マーケティングに関する衝撃的な評価 〜P39
鬱と社会の関連性 〜P40
「ニヒリズム」 〜P41
「長い近代の始まり」 〜P75
小さなリーダーシップとバタフライ効果 〜P179
幸福感受性と創造性 〜P211
むすびに
本書の表紙はとてもクールな印象。
しかし、内容はとてもあたたかいものであったと私は振り返る。
そんなあたたかさを伝えるため、冒頭の画像はハートを持った人々にした。
ハートを互いに与え合うように見えた。ハートは「ワクワク」そのものという解釈である。
その意味で本書は「ハートを見える化し与える社会」、note的に言えば「互いに「スキ」しあう社会」化させるための説明書とも言えるか。
画像を使用させていただいたnoouchiさんには心から感謝である。
まだまだ勉強中の身。
孔子的に言うと「不惑」にはまだまだ程遠い。
誤った解釈などがあれば、優しくフィードバックしていただきたい。
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