【学校を改革する】 読書#135(続き)
みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。
自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回は、前回に引き続いて学校についてです。
前回記事の続編となります。
ヘッダーは、久郷ゼロさんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!
目次
基本情報
佐藤 学 (著)
岩波書店 出版
2023年5月9日 第1刷発行
全71ページ
読書所要期間 2日
私が感じたこと 〜続き
今回は、先日お届けしたものの続編です。
前回の記事はこちら↓↓
協働的学びの実践について聞いてみた!
本書では、
・小学校低学年におけるペア学習
・小学校中学年から高校生における男女混合の4人グループ学習
の必要性/有効性が指摘されている。
著者の言葉をお借りすれば
「ねぇ、ここどうするの?」
という純粋な質問から端を発する学習(対話)が重要であるとしている。
確かに自分の経験を振り返ってみても納得感の高い論であると思っている。というのも、私が中学生の時の経験(四半世紀ほど前w)ではあるが、友達から聞かれることによって、その方にどのようにわかりやすく伝えられるかを整理した上で話そうとするから、自分の中での理解/知識の整理が進んだ気がしている。
伝えている中で、
「あれっ、ここちゃんと説明できないぞ汗」
「あれっ、そもそもちゃんと理解していないぞ汗」
といったことがあった。
だから説明できるように再度調べたり、あるいは先生などに聞くことで言語化できるよう対応した。
他方、我が子たちは何をどの様に学習し、何を感じているかを聞きたくなった!
なんと我が家にはちょうど
・小学校2年生 = 小学校低学年
・小学校5年生 = 小学校高学年
・中学校2年生
・高校1年生
という、上述したペア学習から4人グループ学習へ変遷していくための全てのレイヤーが揃っているw
そして実際に聞いてみた!!
【まずは、小学校2年生】
算数の時にペア学習をやっている様である。
クラスみんなで同じ問題を解き、ペアの方と答え合わせをする中で分からないところを教え合っている様子。
【次に小学校5年生】
まず、理科では完全に自由進度学習を男女混合4人チームで進めている様である。
そして社会でも4人チームによるセミ自由進度とでも言うのだろうか、はたまたそれも含めて自由進度学習と言っても良いのだろうか、前半は先生が教え、後半は自分たちで進めるという方式らしい。
【次に中学校2年生】
英語のみ、基本男女混合4人チームで考えるという形式のようだ。
内容としては、発表する内容をみんなで考えるというものらしい。
【最後に高校1年生】
数学のみ、男女混合の4人チームで進んでいるらしい。
みんなで解いて答えを合わせ、最後に先生が解説するという流れが多いそうだ。
これなら寝ずに、責任感を持って取り組むことができるだろうw
さて、ここから共通して見えるのは、少ないサンプルではあるが、
特定の科目で導入されているということ
理系科目が中心であること
数学系っでは、みんなで解いて答え合わせをするという流れが定番となっていること
といったところだろうか。
それにしても小学5年生のクラスは、とても進んでいると感じた!
しかもこのクラスは、本来2クラスに分けなければならないところをあえて分けずに2人担任制でやっている。
50人に満たない子どもたちと先生が2人。
だからこそ為せる技なのか?
いやいや、単純にやっている先生たちがすごいのか?
これは素人には分からない汗
本書をくださった先生がおっしゃっていた。
高校生の長女が通う高校を除いて、下の3人が通う学校は小中一貫の義務教育学校という学校種/形態、そして、物理的にも小中が一体となっている学校なのだが、
「ペア学習までは十分にできている。あとはグループ学習をもっともっと高めていくことがでいれば素晴らしい!」
と指摘されていた。
私が本書を読み、そしてその先生との会話から想像するに、
・(小学校3年以上の)全学年で
・全科目において
男女混合4人グループ学習を取り入れることが最終的に目指されるべきところであり、かつ、この質をどう上げていくのかが、目下直面している課題なのだろうと感じた。
というのも、「みんなで解いて、みんなで答え合わせ」がその質として高いものなのかどうかについて、個人的には腹落ちしていない。
つまり、素人的にはまだ他に方法があるのであればぜひ知りたいと思っている。
中学2年の娘のチームのみの問題かもしれないが、
「誰も発言しないから、結局自分が一人でやる羽目になる。」
という寂しい回答があった。
ここは著者が指摘するように、教師のサポートが必要なケースということになるのだろう。
授業参観から学習参加へ
先月8月、不思議なご縁をいただいて、教育に関するフォーラムの運営に関わらせていただいた。
「100人会議」と銘打ったこのイベント。
おかげさまで参加者は、観覧者を含めれば100人を超えたと思われる。
大変嬉しかった♪
しかも、子どもからお年寄りまで様々なかたが集まったのが何より最高だった♪
その実行メンバーとの振り返りが先日行われた。
ざっくりこのフォーラムでは、
・私たち地域ができる最高の教育とはいったい何なのか?
・そもそも教育って何なんだ?
といったことをワークショップ形式で話し合うというもの。
各メンバーには、ファシリテーターとして各グループに入ってもらったのだが、特にお年寄りを中心に
「自分だったらこんなことを今の子どもたちに教えたい!」
「こんなことなら、教えることができるかも」
という意見が多かったという。
また、教育に限らず医療・介護・福祉の専門家の参加も多くみられ、それこそ専門知識を活かして「こんなことなら教えられる」という前向きな捉えが目立ったという。
ここに『学習参加』のヒントがあるのかもしれないと感じた。
『学習参加』とは、簡単に言えば
「保護者や地域が日々学習活動に参画する」
ということだと著者は言う。
いわゆる総合的な学習の時間などでは行われていることだろう。
そして、先生単位では積極的に行なっている方もきっとたくさんおられるのだろうと思っている。
しかしこれをシステムとして実装し、回していくことができればどんなにみんなが楽しいことか!
お年寄りは、生き生きとできる。
子どもは、活きた学びを体験出来る。
地域内の企業等の組織は、地域に貢献し強くつながることができる。
保護者は、授業参観よりも数多く、そして、下手すれば授業をする側に回ることでよりアクティブに学校に関わることができる。
先生たちは、これに対する調整が大変かもしれないが、授業中は少し楽になるかもしれないし、そもそも良い学びを提供することが本務であるから、職責を全うできるし楽しさを見出すことができる。
といったことなるかもしれない。
では、
これを具体的に実現させていくには何が必要か?
それは、
「これらを調整する仕組み」であろうと私は考えている。
これは実のところ、既存のもので十分対応が可能ではないだろうかという仮説を持っている。
それが、
・学校運営協議会
・地域学校協働本部
そして、PTAも実は重要な資源となり得る。
これらは地域側の話(学校の外と内をつなぐ話)。
では校内では?
これはやはり内部のマネジメントが重要だろう。
教頭(副校長)以下が忙しすぎるのが実態だとした時に、これから教頭の下にサポート(マネジメント支援)職が少なくとも北海道で導入されると聞くし、校長や事務職がより教頭と教員を本務に向かわせるために雑務(その人以外でもできること)を剥がしてあげることが重要であり、これは今でも十分にできることではないかと考えている。
これら、すでにあるリソースの中で十分にその本来の効果を発揮させることができれば、そうすることが必要だという合意形成をすることができれば、直ちに着手できるのではないかと考えられる。
そのためにもやはり繰り返しとなるが、
「私たち保護者が単なるサービスを享受するだけの存在ではなく、積極的に関わるべき教育提供主体であるという本来の姿の自覚すること」
ここがPTAの果たすべき役割ではないかと考えている。
むすびに(まとめ)
本書の表紙に
「学校は内側からしか改革することはできない」
とある。
それは確かにその通りである。
改革とは、その主体が自ら新しく望ましい姿を描き、具体的にそれを実現させる一連であると考えられるから。
しかし、その一連の動きは、必ずしも全てがその内側から端を発するとは限らないと考えられる。
つまり、外部からの働きかけにより結果として内発的な動きとなる場合が十分にあり得る。
学校内の動きを十分に配慮しつつ、私たち地域や保護者にできることは何なのか?
それを逆説的に考えることのできる、決して学校側の人々のみに向けられた内容ではない、重要な示唆を与えていただけるものであったと感じている。
だいたい多くても3千字くらいでやめる事が多いのですが、どうしても書きたくてフルで書いてみたところ5千字を超えてしまいました汗
それほどまでに、私たち地域/保護者にとっても非常に重要な一冊であったと感じます。
学校を改革するとはつまり、それを包み込む私たち地域も変わらなければ、なかなか実現できるものではないのだと感じます。
書きぶり的に、著者はずっとどちらかといえば学校側にいたから、その責任感から学校視点で主に書いていたのだと思いますが、私たち地域もその想いをしっかりと受け止めたいと考えています。
本日も、ご覧いただきありがとうございました!!
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