【保護者インタビューvol.2】「正解」は求めない。何を言ってもまず受けとめてもらえる、安心できる場所
IMPRO KIDS TOKYOでは4月26日、子どもオンライン・インプロショー『IMPRO KIDS at HOME』を実施しました。ショーに出演した子どもたちの親御さんに、ショーを振り返ってお話してもらいます。
今回インタビューしたのは、きょうこさん。(左下)
以下に紹介する、たいがくんのお母さんです。
たいが:IMPRO KIDS TOKYOに1年前から通っている、小学5年生。今回のインプロショーでは「お話づくり」のルール説明をしてくれたほか、他の人にない発想でインプロショーを盛り上げてくれました。
ーー今回のオンラインインプロショーで、印象に残ったシーンはどこでしたか?
「ぴったんこ」のゲームです。
※ぴったんこゲーム
1人がイエス・ノーで答えられる質問をして、イエスと答える人の人数を予想するゲーム。ショーの冒頭でプレイヤーの自己紹介を兼ねて行われました。
子どもたち同士が、相手を感じながら質問を出したり回答したりしていて、インプロらしいなと思ったんです。
特に印象的だったのは「今、インプロショーを楽しいと感じている人?」という質問。質問者のみそらちゃんはその場にいる「9人」から一人少ない「8人」と予想して、それが見事に「ぴったんこ」だったんですよね。なぜならたいがが「ノー」と答えたから(笑)
子どもたちは一緒に時間を過ごしてきていて、互いのことを知っているし、関係性ができている。だからこそ、たいがが「ノー」と答えることがみそらちゃんにはわかったし、たいがも答えたいように答えたんだなと。
▼実際のシーン
ーーショーを見て、どんな部分にお子さんの成長を感じましたか?
たいがは緊張や恥ずかしい気持ちが強くて、すぐに悪ぶってしまうところがあります。以前は、みんなが受け入れてくれるかどうかを試すために、わざと困らせることを言ったり、全体の進行を止める行動をしたりしていました。「●人で1組になって」とグループ分けをするときも、教室の隅から見ているという参加をしていました。
それでもたいがが否定されることはなく、みんなのほうが受け入れる範囲を広げてくれました。そのおかげでたいがも、「みんなで楽しめる範囲でちょっと外れてみる」ことを理解し始めています。
今回のショーでも、「わざとビデオを切って顔を隠す」などの行動がありましたが、たいがなりに参加をしていたし、みんなも自然とそれを受け入れてくれていました。みんなの話を聞きながらここぞというときに発言して、「天の声だ!」と言ってもらったり(笑)。
周りの人のことを考えて行動するようになったという変化は、普段のインプロクラスでも感じています。例えば先日は、互いのことを褒め合う「ほめほめタイム」を提案していました。自分が仲間からポジティブな声掛けをしてもらい嬉しかったという経験や、自分の気持ちや意見を言えていない子も、発言できる場があるといいと思ったから提案したそうです。
ーーオンラインでショーをすることへの不安はありましたか。
話を遮ると声が聞こえなくなってしまうので、発言のタイミングが難しいのかなと思っていました。たいがは普段、言いたいことを言いたいときに発言するので(笑)。
でも実際は、インプロクラスでやってきた「相手にいい時間を与える」を考えて実践していました。やりとりが途中で止まってしまっても相手が発言するまで待ったり、相手の意見を聞いてみたり。
ーーIMPRO KIDS TOKYOは、お子さんにとってどういった場所だと思いますか?
たいがは以前、学校の国語の時間に「登場人物にかわって言い訳を考えて書きなさい」と課題をどうしても書けなかったんです。「僕は言い訳しないから」、と。
自分の意思とは関係なく「正解」を書いてまるをもらうということができないから、学校という場所で苦労をすることが多かったように思います。
IMPRO KIDS TOKYOでは、「正解」を求められることはありません。何を言っても「たいがはそういう意見なんだね」とまず受け止めてくれる。たいがにとってはすごく、安心できる場所になっているんじゃないかなと思います。
文:八ツ本真衣(学童支援員・ライター・フォトグラファー)
動画:Nekoneko(中学生クリエイター)