【放送後記】#5 ネガティブ思考は「頭の中の出来事」でしかない?
現実感がある思考はどうしたらいいのか?
自分の置かれている状態がピンチの時は、ネガティブ思考は現実的だと考えがちです。少しでも危険を回避できるならと思い、ありとあらゆるネガティブな想定をしてしまうかもしれません。自分を追い詰めるような具体的な問題がある時は、マインドマップなどを使って思考を整理しておくと良いです。「解決する思考」と「行き過ぎな心配」をできる限り分けておく必要があります。とはいっても、問題が重大で大きいほど、不安も大きくなってしまうでしょうから、マインドマップを使って、心配の特徴である「反復」や「連鎖」を軽減していきます。心配は頭の中だけで処理すると、ものすごい速さで思考が連鎖しますし、同じことをループさせます。特に不安が強い時は、そのスピード感に「対応策」や「解決案」がふわっとしたイメージで終わってしまうことがあり、「でもそうなったら、こうなる」という問題点の算出が多くなってしまいます。同じことを繰り返し頭で考えるプロセスを軽減させるためにも、マインドマップを作成しておくことは有効的な手段です。もし、また解決したいと思ったら、マップに加筆できるかどうかを検討するぐらいがちょうどいいのです。
思考がネガティブなことよりも Fusion(フュージョン:混同)が問題
放送でも紹介しましたが、頭の中で考えたことが現実になると考えたり、または、現実としてイメージを捉えることは誰でもあります。その根底には、自分のイメージや思考の内容を信じていることがあります。たしかに、そのイメージによって、忘れ物をしなくてすんだということもあると思いますが、そのようなあっさりした思考やイメージの状態ではないときは、自分のイメージを信じない方がいいです。
自分が浮かべたくないイメージや思考がふと浮かんだりすることは誰でもあります。それは侵入思考と呼ばれていて、「え?なにこのイメージ」と思うことも大体の人も同じような内容を経験していることが調査研究で明らかになっています。ただ、その思考やイメージが浮かんだことを重大なこととして捉えてしまい、その思考やイメージを打ち消したりしたり、もしこのイメージが現実だったら・・といろいろと考えるようになったら、心が苦しくなってきますので、「単なるイメージ」と割り切ってしまうことがポイントです。それでも、イメージが強くなったり、イメージを阻止するための行動を繰り返すようになった場合は、カウンセリングを受けてみることをお勧めします。
心理学の知識を楽しくご紹介できるように、コツコツと記事を積み上げられるように継続的にしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。