【レビュー】ヴェニスの商人 The Merchant of Venice
【概要】
作者:ウイリアムシェイクスピア(william shakespia)
1564年—1616年
物語の舞台はイタリアのヴェニス。出版当時、喜劇として読まれていたらしい。
現在は悲劇として捉えている人も多い。アントニオ、シャイロック、ポーシャ、バッサーニオといった記憶に残るキャラクターが登場しながら、愛、復讐、正義、偏見をテーマに物語を展開していく。
【あらすじ】
主人公はアントーニオである。日頃アントーニオはユダヤ人であるシャイロックを蔑ろにし、仕事の邪魔をしていた。そんなある日、バーサニオからポーシャと結婚するためにお金を貸してくれとお願いされる。しかしアントーニオの財産は航海中の商船にあり親友であるバーサニオに金を貸すことができない。そこで、バーサニオの代わりにアントーニオはユダヤ人の金貸しシャイロックに金を借りに行く。アントーニオは、金を借りるために、指定された日付までに借金を返すことが出来なければ、シャイロックに彼の肉1ポンドを与えなければいけないという条件にお互い合意する。しかし、彼の商船は難破し財産を失ってしまう。融資契約は暗転する。
バーサニオはポーシャへの求婚をし成功する。バサーニオはポーシャから貰った結婚指輪を絶対はずさないと誓う。
バーサニオはアントーニオの経緯を知らされる。
お金を返せなくなったアントーニオはシャイロックと裁判をすることになったと
ポーシャに伝える。アントーニオはポーシャの財産を持って裁判所へ行く。
バッサーニオと結婚したポーシャは、弁護士を装って介入し、シャイロックの主張に巧みに反論し、最終的にアントニオを救う。
【レビュー】⭐️⭐️⭐️⭐️(4.0)
今ある「常識」「正義」とは本当に正しいのかと考えさせられる作品でした。
誰が主人公かわからなくなる。まず主人公であるアントーニオがユダヤ人であるシャイロックを迫害するシーンは本当に主人公?と疑うレベル。
ストーリーの中も現実の世界もそれが正しいと信じていたというのが驚きで、この人たちからすると自分たちが正しいと思っているものが1番恐ろしいと思いました。現にリアルな歴史の中で白人がインディアンを迫害しキリスト教に改宗させるのが美徳、それがインディアンのためだと信じていた歴史。何十年何百年と経ったら今ある常識も変わるんだろうなと思った。
アントーニオの親友であるバーサニオもなかなかのヤバいやつでお金を借りた癖にそのお金でパーティーを開くという厚かましさwwよくポーシャ好きになったなあと思った(笑)
ポーシャが男性優位の時代に教養がある女性で驚いた。ただ多くの法律を用いて周囲をあっさせられることはすごいと思ったが、アントーニオ寄りの判決をしているのはどうかと思った。アントーニオ側の弁護士ならありだと思うが、、、 ポーシャの働きで土壇場で逆にシャイロックが重罪人となる。「肉1ポンドはシャイロックのものだが、血に関しては1ミリでも血を流してはいけない。もしも血を流せばシャイロックを罪に取る。」と告げた。そして殺人未遂の罪にも問われ死刑を宣告されたシャイロック。本当に理不尽。アントーニオの機転で遺産を駆け落ちした娘夫婦に渡すこと、そしてキリスト教に改宗することという条件で減刑されたが、せめて借りたお金は返してやれよとツッコミどころ満載だった。ユダヤ人を迫害するのが正義としている世の中でアントーニオは寛大なことをしたという面では主人公的要素があるとおもうが、胸糞、、
【最後に、、(名言)】
シャイロックが述べたセリフで
ユダヤ人だって同じ人間であるというセリフが1番の名台詞だと思った。
周りはキリスト教信者たちに囲まれている中で主張ができるのはすごいと思った。