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#17 認知症と腸活の密接な関係~50代から認知症に備える~
前回の記事↓↓
「アルツハイマー病は脳疾患ではなく、脳内の免疫系障害なのではないか?」という、カナダ・クレンビル研究所の研究主幹ドナルド・ウィーバー博士らの仮説にヒントを得た私は、認知症の予防やケアに「脳活」よりも「腸活」に注力している。
私の家系は「便秘症」が多い。
特に母方の家系は、婆ちゃんが食物繊維たっぷりな食事に気をつけていたにも関わらず、便秘に悩まされていた。そして軽度の認知症を発症している。祖父母の介護に同居していた叔母も酷い便秘症で認知症を発症。そしてその妹の母も、便秘症で認知症を発症・・・。
認知症を発症する原因が「便秘症」とは言わないが、認知症を発症した母方の家系に共通する症例が「便秘症」であったのは間違いない。
昔ながらの食物繊維が豊富な食事を摂っていても、便秘に悩まされていたのは、体質的な「腸内環境の弱さ」にあったのではないかな、と私的には感じている。また、その他の基礎疾患で服用していた薬の副作用で便秘になることも多かった。
腸内環境の弱さが免疫力の低下に繋がることは、コロナ禍でも散々に警鐘されている。
便秘=腸内環境の悪化→ 免疫力が低下する → 脳機能も低下する→さらに免疫力が低下する→便秘が酷くなる→脳機能も低下する→認知症の発症・・・。
「便秘」は、そんな負のループが発生するきっかけになっているのではないか?逆に、もうしそうであるなら、「腸活」をしっかりしてやれば、認知症の予防や改善にもなるのではないか?という”私的仮説”を立てた。
2022年8月、父が心不全を起こし、”引き籠もり老々介護”が崩壊。
認知症の母を施設へ何とか緊急入所させてもらい、母の介護と自身の心疾患で満身創痍だった父を引き取った時、父はMCIから、認知症へと進行する”崖っぷち”にいたと言える。
そして父もまた、便意すら感じられない程の、
ひどい便秘症になっていた。
心疾患の薬には便秘の副作用があるとの事で、酸化マグネシウムも同時に処方されていたが、酸化マグネシウムは認知症によくないとの情報を得て、すぐに2歳児からでも服用できるモビコールという慢性便秘薬に変更してもらった。
父は便意は感じられなくなっていたが、便意があってもなくても、毎朝、「トイレにこもる」という若い頃からの習慣は失っていなかった。しかし、朝、ちゃんとお通じがないと、1日中、気になるようで何度もトイレにこもるようになっていた。
そこで、処方してもらったモビコールを朝、粉末のコーンスープに混ぜて、1ヶ月程、服用させた所、お腹がググッと動く便意を感じるようになり、朝「出た!!良かった!!」と、便通が改善された。
朝、しっかりお通じがつくと、安心する様で、散歩や読書など他のリハビリにも集中して取り組めるようになっていった。小さい子供と同じで、”成功体験”を積ませるというのは大事だw
結果、父は認知症発症への危機的状況から脱し、現在は、年相応のもの忘れはあるものの、記憶力や判断力がだいぶ回復し、心身供に穏やかな状態になっている。
「腸活」をしっかりしてやれば、認知症の予防や改善にもなるのではないか?という私の仮説は、父により立証された。(と、思っているw)
「腸活」も一日にしてならず。
認知症を発症してからでは、中々に厳しい。
50代からの腸活が大切だと実感している。