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【本の紹介】『世界は私たちのために作られていない』(ピート・ワームビー著)
「この本かなりすごいわ」と息子が見せてくれました。
(息子)
この本に書いてることの9割、自分のこと書いてるみたいやったわ。
(私)
9割!そらすごいな。
(息子)
僕は感覚過敏で困ることがあんまりないから、その分差し引いて9割。
(私)
ということは、感覚過敏関係以外は全部当てはまるということか。
(息子)
大体そういうことやな。
(私)
ということは、この本読んだらあなたのことがわかる、ということか?
(息子)
ははは。そういうことになるな。
(私)
ちょ、ちょっと読まして。
(息子)
ええで~。
怖いもの見たさで(?)自室にこもって読みました。
「確かにこれは息子に当てはまるわ」と思ったところに付箋を貼りながら読みすすめましたが、ここもかしこも当てはまるので、途中から面倒になって付箋をつけるのをやめました。けれどもこんなことになりました。
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そしてまた、その多くは程度の差はあれ母ちゃんの自分自身にもあてはまるのでした。この親にしてこの子あり!
本著は2024年12月に日本語訳版が出たばかりの新刊です。
著者はイギリス人のピート・ワームビーさん。34歳で自閉スペクトラム症と診断された元教師の方。
(息子)
それにしても日本とイギリス、こんなに離れて住んでるのに、おんなじこと考えてて、おんなじことで困ってるって、なんかすごいことやな。
(私)
ほんまやな。人種とか文化とかお国柄とか関係ないんやな。
(息子)
300ページのこの本、僕は夢中で1日で読んでしまったけど、自閉症じゃない人は読むのかな。こんなにうまい文章で面白く書いてある本は他にない、っていう程いい本やと思うんやけどな。
自分が書きたかったこと全部書いてある。先を越されたな。
(私)
うんうん。え?書こうと思ってたの?
確かにこの本は絶対に、定型発達といわれる多数派の人たちにこそ読んで欲しい本。どうしたら読んでもらえるかな?
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世界は変えられる。
とりあえず「目次」をご紹介することにしましょう。
目次
第1章 人間関係ーこのクモの巣のように複雑なもの
(世間話のルール、困難な会話、電話恐怖症、仮面をつける、メルトダウン…)
第2章 ASDと友人
(ASD者には共感力がないという神話、ASD者の恋愛…)
第3章 靴ひも結び、その他の日々の困難
(発達凸凹であるということ、ルーティンへのこだわり…)
第4章 趣味を超えて
(「特別な興味」とはどれほど特別なのか、バーンアウト…)
第5章 学校‐最も過酷な環境
第6章 職場は危険がいっぱい‐必要な調整について
第7章 休息ほどストレスのたまるものはない
第8章 正しさを求めて
「自閉スペクトラム症の人の感じ方」を具体的に、わかりやすく、ユーモアも交えながら書かれてあるだけではなく、「周囲や社会の対応方法」についても明確にまとめてあります。
ー以下、私のつぶやきですー
「最先端の研究やってるのに靴ひも結べない」ってホンマや、ホンマや!
「ポケモンにはまる人が多い」って、マジか!(イギリスでもか~!)
「人から要求されたらどんなにやさしく言われても絶対やりたくなくなる」って、自閉症スペクトラムの特性かもしれなかったのか…💦
あの人のあの行動にはそういう意味があったのね。
そういうときは、こう考えてこうすればいいだけなのね。
知ってるだけでみんなが生きていけるやん。
そういうことがわかる本でした。
最後に共同運営マガジンのご紹介。
noteの世界にも素敵な世界があります。
かぼちゃも端っこで参加させていただいている、発達障害に関係するみなさんの共同運営マガジンです。
どうぞよろしくお願いします。