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心がモヤモヤした時に読みたい本10選(私選)

私自身が精神的に落ち込みやすくなったのは、30代の半ばの頃からでした。30代になったばかりの頃は、今よりも体力もあって「なんだ20代と変わらないじゃないか」と安心していたのです。

ところが、30代の中盤あたりから、急激に体力が落ちはじめ、心と身体が一致しない感じが出てきました。

このままだんだん衰えていくのかなぁと思うと、罰当たりな考えですが、なんだか生きているのが嫌だなぁと思うこともありました。

性別によっても差があるようですが、男性ではこのくらいの年代から精神的な不調がではじめる方が多いようです。

私自身も、体力の衰えだけでなく、仕事がうまくいかなくなったり、いろいろと悩みが尽きない時代でした。

そんな頃から、コツコツと読みはじめたのが、ここに紹介したような本です。

それまでは、自己啓発本とかには、苦手意識があって、読んだことがありませんでした。しかし、読んでみると、どんな本でもおもしろいものです。

宗教とか、心理学を必要以上に恐れる方もいますが、用法用量を守って、あくまでも「自分のために」使う分には問題ないと思います。私も若い頃は苦手意識がありました。

今でもこの手の本は読みますが、どっぷり浸かるというよりは、精神的に不調を感じた時に読み直す、サプリメントのような感じです。

この手の本は、自分が「いいなぁ」と思うことだけ、取り入れてみるといいです(ビュッフェスタイルというと親しみやすいでしょうか)。本に書いてあることが絶対に正しいわけでもありません。無理に合わせようとすると、こじらせてしまうので、気をつけてくださいね(^^;

①『人を動かす』D・カーネギー(1937)

自己啓発本の原点とも言われる名著。1936年に初版が発行され、1981年の改訂版が発行されるまでに、世界で1500万部を売り上げたとされている。人を動かし、人に好かれる方法を具体例も交えつつ紹介。「人を変えるには、まずは自分から」を実践するかのように、本書の語り口は優しい。読むだけで穏やかな心を取り戻せるだろう。


②『アドラー心理学入門』岸見一郎(1999)

ベストセラー『嫌われる勇気』の著者(古賀史健との共著)による「アドラー心理学」の入門本。アドラー心理学の歴史とその概要について、わかりやすく解説されている。人間関係の悩みの大半は「対人関係」にあると言われるが、アドラーの「優劣をつけない」人間関係の考え方は、この問題を解決に導く糸口になるはず。


③『禅的生活』玄侑宗久(2003)

小説家でもあり、臨済宗僧侶でもある著者が書いた禅の入門本。やはり、ここでも物事に「優劣をつけない」考え方が強調されている。物事に「いい」とか「悪い」といった優劣をつけず、あるがままに受け入れることが「禅」的な捉え方。そうすることによって、はじめて自分の人生を主体的に生きることができる。


④『ユダヤ人大富豪の教え』本田健(2003)

文筆家であり、経営コンサルティング会社などを経営する著者が、若かりし頃にアメリカで出会ったユダヤ人大富豪と過ごした日々を小説風に綴っている。本書を読んでいると、自分にとって本当は何が大切なのか、思い出させてくれる。果たして、好きなことをやって暮らすのがいいのか、お金のためだけに嫌なことをしながら生きるのがいいのか。お金の話なのに、泣けたという読者が続出。


⑤『ダメなときほど運はたまる』萩本欽一(2011)

’60年代末~’80年代にかけてテレビの世界を開拓し、「視聴率100%の男」と言われた著者。本書では独特な柔らかい口調で、自身の半生を振り返っている。華々しい栄光を持つ著者だが、恵まれなかった子ども時代、売れなかった頃の経験が、独自の美学を培った。嫌なことがあっても「次はいいことがあるぞ」と、ニッコリほほえむ人だけが、運を掴むことができる。


⑥『「イヤな気持ち」を消す技術』苫米地英人(2012)

オウム真理教における「洗脳」を読み解いた著書で、話題となった著者が書いた「イヤな気持ちを消す技術」。そもそも人間の脳は「イヤなこと」が記憶に残りやすくできている。これは短期的な記憶を保存する「海馬」と、感情をつかさどる「扁桃体」の位置が近いことに起因している。記憶を長期保存する際に、海馬が側頭葉に記憶を投げ込むのだが、この時に、側にある扁桃体がイヤな記憶を増幅させてインプットさせてしまうのだ。脳のしくみがわかるとイヤな記憶に必要以上に悩まされることもない。


⑦『反応しない練習』草薙龍瞬(2015)

独立出家僧である著者が書いたブッダの原初的な教え。特定の宗派に属さない著者が書いたからこそ、宗教的な印象はかなり薄く、多くの人によってなじみやすい内容になっている。本書では、私たちが抱える多くの悩みは「妄想」だと説かれている。「現実」と「妄想」、「自分」と「他人」を区別し、「今」の「自分」に集中して生きることが、あらゆる反応に悩まされないコツ。


⑧『努力不要論』中野信子(2014)

脳科学者である著者が書いた「努力不要論」。そもそも日本に「努力信仰」が根づいたのは、明治時代のことだったという。明治時代を築いた藩士たちに、そのような信仰が強かったため、それが現代の日本につながっている、というのが著者の見解(それ以前の日本では「遊び」が重視されていた)。人生においては、他人に評価されるために頑張るのではなく、楽しんでやれることを見出すことの方が大事だ。


⑨『自律神経を整える「あきらめる」健康法』小林弘幸(2013)

順天堂大学医学部教授が書いた自律神経を整える方法。「あきらめる」という言葉は、「明らかにする」という意味からきている。「できること」「できないこと」を明らかにして、頭をスッキリさせると心も整うし、ストレスもない。ストレスを抱えると、心拍数が上がり、血液がドロドロになるという。それを防ぐには、ストレスを抱えずに、深くゆっくり呼吸をすること。あなたの心の不調も自律神経の乱れからきているのかもしれない。


⑩『自己肯定感の教科書』中島輝(2019)

心理カウンセラーの著者が書いた「自己肯定感」の本。本書でも語られているが、著者は悲惨な経歴を持っている。5歳で里親に夜逃げされ、9歳からHSP、パニック障害、統合失調症など、あらゆる病気に悩まされ、25歳の時に巨額の借金が原因で、さらに病状が悪化。そんな中、独学でセラピー・カウンセリング・コーチを学んだという。いわば自身を実験台にして、得た知見がここには書かれている。謙虚さは大事だが、あまりにも自己肯定感が低すぎると、周りの人たちに連鎖するので、やめた方がいい。

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いっき82
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