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「全ては冷静から。」

新渡戸稲造著・「逆境を越えてゆく者へ」を読んだ。

今のところ、今年で一番読んで良かったと思える本だった。


逆境と順境に対する考え方や行動が主な内容なんだけど、

人の幸・不幸、順境・逆境はそれぞれの立場によって違うもの。境遇そのものに順とか逆とか絶対的にあるわけじゃない。だから、周囲を変えることができなくても、自分の立場を変えれば境遇も変わる。

って文章を読んで、

今の境遇をどれだけ冷静に俯瞰して判断できるか

が一番重要だなと思った。


二つの境遇の特徴を書いていく。


逆境の人の陥りやすい特徴として、

上手く行かない状態が続き、目の前の些細なことにイラつき、隣の芝生が青く見え、焦ってヤケになり、盲目になり真相を見誤る。小さいことを大きく考え、大事なことを軽んじる。

そしてますます逆境に深入りする。

まさに、負のスパイラル。。。

逆境にいる時は、とにかくこの負のスパイラルに陥らないように気をつけるべき。

確かに上手くいかないことが続いて、イラつくこともある。

正直、俺の今の状況は逆境だからよくわかる。笑

でも、そこで他人のせいにしたり、嫉妬でヤケになるような怒りの使い方をしてはいけない。

少し考えれば、そんな怒りの使い方をしたって良い方向に行かないことはわかるはず。

怒りは正しく使うんだ。

逆境にいるなら、逆境にいることを冷静に判断して戦略を練り実行し耐えるんだ。

そのためには、逆境を利用して自分の腕を磨くための絶好の機会と捉えるんだ。

そうすれば多少気持ちも楽になって勇気が出るし、むしろ今の立場って順境なんじゃないかとも思えてくる。

逆境があるから、人を思いやることができるし、許せる人間になれるんだ。

逆境を良い修行の場と捉え、耐えるんだ。



次に順境の特徴は、

傲慢になる、怠慢になる、恩を忘れる、不平等を言う、調子に乗る

といった傾向になりやすく、その結果、

逆境より順境の時の方が、心が堕落し不幸に陥りやすく危険だと書いてある。

そうならないように上に上がっても得意にならず、下に沈んでも怒らず恨まず、心を動かさずに淡々と進む。

これが順境に対する秘訣らしい。(俺は順境にいないからわからないけど、気をつけていく。)



結局、どの境遇にいようが一歩引いて冷静に判断できないと、

進むたびに沈むし、少しの緩みのせいで引き込まれてしまうんだ。

だから、新渡戸稲造は

少し爪先立ちして前を見ろ

って言ったんだよな。


そして、逆境でも順境でも自分の態度・捉え方次第で気持ちも境遇も変わるんだ。

波に逆らえば泳ぎにくいけど、身体の向き(態度)を変えるだけでスイスイ泳げるようになるように。

どうしたって波に逆らうことしかできないなら、捉え方を変えれば勇気に変わる。

波に乗っていても、調子に乗らず驕らずに淡々と進むだけ。


絶不調の時、絶好調の時に冷静になることって結構難しいとは感じる。

だからこそ、普段から自分を、そして社会を冷静に俯瞰して考えるんだ。

どんな境遇にいようと冷静に俯瞰することができれば、

自ずと答えは見つかるはず。

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