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「反芻を撃退しろ。」
昨日紹介した、ターシャユーリック著・「インサイト」の続き。
自己認識を高める方法がいくつも書いてあり、自分で自分を徐々に知ることができるのがこの本。
自己認識には内的自己認識・外的自己認識の2種類があり、
真の意味で自分を知るには、自分自身を知ることだけじゃなく自分はどうみられているか?も知らないといけないと書いた。
そして内的自己認識の高め方として、
なぜ?思考ではなく、なに?どう?思考を紹介した。
今日は内省をした時に陥ってしまう反芻について。
自分の恐怖、欠点、不安にひたすらこだわってしまう反芻。
著者は反芻を内省の双子の悪魔と例える。
反芻は内省について間違った考えの中で最もタチが悪く、自己認識にとって障壁になるどころか破滅的行為にもなってしまうという。
反芻のダメなところは、
・自分の選択を疑い、力がないと考えてしまう。
そして、這い上がることが難しい負のスパイラルに陥る。
・上手くいっていない部分を検討することにエネルギーを使いすぎてしまい、なぜ?どう?思考のような成長思考ができなくなる。
・生産的な内省をしていると勘違いさせてしまう。
(内省と反芻は全く別のもの)
といったことがあげられる。
「もしバックミラーに映ったものばかりを見て時間を取りすぎると、きっと信号機にぶつかってしまう。」
と反芻について書いてあったけどその通りで、
反芻は自分の弱点にフォーカスしすぎて自分を責めることに忙しくなってしまい、もっと大きな視点で自分を見ることができなくなるんだ。
だから、反芻は自己認識にとって障壁となる。
じゃあ、どうすれば反芻をしなくなるのか?
自己認識が高いレベルでできている人が最もよく使う反芻撃退方法の一つが、
”たいてい周りは、自分のミスについて自分が思っているほど気にしていないのだ”
と思い出すことだと言う。
だから反芻に陥りそうになったら、
この問題について周りの人は自分と同じくらい気にしているか?と問い、
答えがノーだったら忘れようと試みること。
もう一つ大切な反芻撃退方法が、
「上手くやる」から、「上手く学ぶ」マインドセットに変えること。
パフォーマンスや結果にばかりこだわる「上手くやる」マインドは、
イライラしやすく自分の力不足を責めがちで自暴自棄に陥りやすくなってしまう。
これでは反芻に飲み込まれてしまう。
そうではなく学びに焦点をあてる「上手く学ぶ」マインドは、
好奇心が常にある状態を保ち、失敗に批判的になるのではなく成長材料と考えることができる。
だから反芻に陥ることがないし、研究によると結果的にパフォーマンスや成果の向上もみられたという。
失敗してもそれで世界が終わるわけじゃない。
そこから何を学び、どう次に繋げるかを考えるんだ。
忘れたいのに過去の失敗を思い出してしまう。
自分の決断を後から責めてしまう。
この非生産的な自己批判と自己疑念の生みの親であるのが反芻だ。
本を読んだ時、俺は結構反芻をしていたんだなと気付かされたんだけど、
俺と同じように反芻をしてしまっている人は多いんじゃないかな。
内省と反芻は全く別のもので、全く違う結果をもたらすから気をつけないといけない。