【告白】 寂しさを恥じて生きてきた
私は 自分のことを
恥ずかしい人間だと思って
ずっと生きてきた
身をよじるほどの寂しさを
いつも恥だと感じた。
大学生の頃
小学生だった弟をスケートに
連れていくのを渋った。
なぜなら弟は、汚らしい格好をしていたから
そんな弟と連れて歩くのは 恥だった
私は恥を味わうのは嫌で
寂しい心を 縄で縛りつけていた
寂しさが 声を出さないように
歩き回らないように
最新の注意をして
自分の心をぎゅっと縛るから
生きていて私は いつも苦しかった
苦しくて 苦しくてたまらなかった。
ただ生きることが とっても苦しかった。
串田孫一の文章を紹介したエッセーに出会った。
「すみれ色の時間」の中にある「三等三角点」
「寂しさを尊ぶ」
寂しさを恥じることなく
寂しさを尊ぼう
この言葉に、目を開かれる思いがする。
私は寂しさを 遠ざけてきた。
無視をして、時にいたぶってきた。
でも本当はいつも 寂しさに 支えられてきたことに気づく
寂しさは 子供の頃から 一番の友達だ。
僕は一番の友達を 切り捨ててしまったから
いつの間にか ずっと友達ができずに
ずっと孤独だったのだ。
私の一番の友達は 寂しさなのです。
寂しさくん、君はここにいてもいいだよ
ずっとここにいていいんだよ
君がここにいてくれることが
僕には嬉しいだよ。
役に立たなくたっていい
悲しんでいるだけだっていい
そんな君だって 僕には大切な存在なんだ
君を必要としている僕がいるんだ。
君は役に立たないものじゃない
君は大切な命なんだ。
君は今成長の途上なんだ
今は寂しさだけれど 君は成長すると
「愛」に生まれ変わる
「暖かさ」に生まれ変わる
そのことを僕は知っている。
僕は 君をもう離さない。
僕たちはいつも共にある。
僕は「暖かい心」を一番大切にしていく
ディア フレンド! ジェントルハート!
覚めて凍っていた私の心が
少しだけあったまって 溶けていく。
心の太陽が昇り 止まっていた季節がゆっくりと動き出す。
「冬来りなば春遠からじ」
古の人の言葉を噛みしめる
そう、春はゆっくりと この町に
訪れようとしているんだ
ゆっくりと 進め