【マーケ基礎】老舗は、本業を守り続ける。
創業200年以上のお店・会社が、
日本にどれだけあるか、ご存じですか?
私は、驚きました。
そんなにあるとは思っていませんでしたから。
約3000社です。
これは、世界一です。
多い国で、ドイツの800社。オランダの200社。
アメリカにいたっては、14社しかありません。
アジアはもっと少ないのです。
3000という数字は、誇りでさえあります。
それだけ、商売を真面目に考え、
小さなことから積み上げてきたお店・会社、
そして、人がいるということです。
そこには、偽装も不正も、詐欺も存在しません。
お客さまのために、従業員のために、家族のために、
頑張り続ける人たちがいます。
どうすれば、社会の役に立つのか。
どうすれば、お客さまを喜ばせることができるのか。
それだけを考えています。
200年以上も続く老舗には、共通点があります。
いまの社会のように、儲かりそうなことなら、
何にでも手を出すような下品なことは絶対にしません。
「本業を守り続ける」のです。
それは、頑なに古い技術や売り方を守る、
というのではなく、世の中の流れを読み、
それに合わせながら、少しずつカタチを変えていく、
ということです。
それが、お客さまに信頼されながら、
永く生き抜くコツです。
柔軟かつ正統に。
これが、商売なのです。
家庭用品でお馴染みの「花王」も
本業を守り続けることで、安定成長を続ける会社です。
しかし、
一時「フロッピーディスク」を製造していました。
そのシェアは、世界トップの売り上げ800億円。
本業とは、まったく関係ありませんが、
儲かっていました。
ところが、突然、
フロッピーディスクから手を引きました。
CD-ROMなどの新しいメディアが登場したことで、
フロッピーの売り上げが落ちてきたことがキッカケです。
そこで、花王は事業を見直しました。
「本業の家庭用品分野から外れている」
そのことに気づき、あっさりと撤退しました。
次々に出てくる新メディアに手を出していたら、
競合との苦しい戦いに巻き込まれていたでしょうし、
大打撃を受けていたかもしれません。
私は、この英断に拍手を送ります。
よくぞ、気づきました。
本業がウマくいっていないからと、
まったく別のことに手を出す人がいますが、
本業さえウマくできないのに、
新しいことがウマくできるはずはありません。
本業をとことん努力してから、それでもダメだからと、
別のことを考えるのは仕方ありません。
まずは、「自分の本業は何だろう」を見直してください。
本当に“やるだけのことはやった”のですか?
まだまだ、手はあるはずです。