指圧の基本の「キ」 第2回【両手母指圧・重ね母指圧】
企画協力:木下 誠
本記事では、初学者のための指圧の基本テクニックを紹介していきます。一見、簡単そうに見えるテクニックにもコツがあり、また狙いがあります。意外とおろそかになりがちなだけに、治療家の方も改めてチェックしてみてはいかがでしょうか。
第2回は「両手母指圧」と「重ね母指圧」について、見てみましょう。
両手母指圧
まず両手母指圧では、左右の母指の先端を接しながら、残りの四指で支えて、両母指で同時に押します。指2本分なので、広いポイントにアプローチできます。
ポイントとしては四指はバラバラに離さず、きれいにそろえること。また四指は、点で支えるのではなく、面で支えるようにしましょう。
重ね母指圧
次に、重ね母指圧です。
下の母指が7割、上の母指3割くらいの圧配分になるように重ねて押しましょう。上の母指の圧が強すぎると、下の母指を痛めてしまいます。
左右の母指の触覚・圧覚がともに磨かれるように、どちらの母指が下になっても押せるようになりましょう。
両手母指圧に比べてアプローチポイントは狭くなりますが、その分、ぶれにくく、強い圧でも押すことができるのが、重ね母指圧の特徴です。
まとめ
どちらのテクニックも、両手の四指の支えが大切になりますが、四指の圧が強すぎてはいけません。
母指で押すポイントに快圧、つまり「いくぶん痛いが心地よい圧」まで押せるように練習しましょう。
※本記事は、医道の日本社のWebサイトで2009年11月9日に公開されたものを元に作成しております。
▼『指圧の基本の「キ」』
第1回
企画協力:木下 誠(きのした・まこと)
1953年、北海道生まれ。1976年、日本指圧学校(現・日本指圧専門学校)卒業。同年から2013年まで同校で講師として勤務する傍ら、1976~1991年、浪越指圧センター勤務。1991年、指圧の神陽館(現・指圧・鍼灸の神陽館)を開業。1995~2012年、筑波大学理療科教員養成施設講師、筑波技術短期大学(現・筑波技術大学)講師、東京医療専門学校鍼灸マッサージ教員養成科講師を歴任。また、2003~2009年にNPO法人日本指圧協会(現・一般社団法人日本指圧協会)理事、2016年から同副理事長に就任。2014年から横浜市立盲特別支援学校・理療臨床公開講座講師。また同年から木下指圧鍼灸塾を主宰して、指圧の指導を行っている。
指圧療法の関連DVD
木下誠氏は、自身の多年にわたる臨床にて研究・実践を繰り返すなかで、患者を真に満足させ、指圧だけで1000万円を売り上げることができる指圧療法を考案し、「テンミリオン指圧」と名付けている。本DVDでは、「テンミリオン指圧」の特徴である側臥位での頚肩部の指圧をはじめとした全身治療の流れを解説。さらに、手指操作法、疾患・症状別治療法や疾患の予防ポイント、どのようなところで患者に満足を感じてもらえる工夫なども紹介する。
生理学を楽しく学ぶための本
物語は209X年。医療系専門学校で学ぶ男の子と女の子は、人体の働きをわかりやすく勉強することができる「人体アドベンチャーランド」を訪れます。読者は男の子と女の子一緒に人体アドベンチャーランドを楽しみながら生理学を学んでいきます。「どうしても生理学がわからない」「そもそも、おもしろくない」と悩んでいる医療系現役学生に、ぜひ読んでほしい1冊です。
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