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小説⑧~Center of the X~

2161年 8月2日 12:30 教室の教卓側

「いっやぁ!全然溶けねえわ!」
「そもそも鉄も溶けるか謎だったね(笑)」
「どうするこれ、まじで、、、」

 雪、勇太、壁を見渡し、次の策を思いつこうとするが、全然思いつかない。その時


どぅん

 大きな音を立てて、黒い壁が振動した。その時、雪は、黒い壁が少し自分の靴に近寄っている気がすると思ったが、人に言えるほどでは無い、微々たるモノであった。

「、、、何だ今の」
 勇太は、雪のような考えは持たず、その音だけに反応していた。

「ねえ、こんな音するのってどんな時かな~」
「どゆこと?」
「例えば、マンションで上の人がトランポリン飛んでるとか?尻餅付いたとか?」
「は?(笑)まあ、確かにそんな音と似てるな(笑)」
「横から聞こえるときは、壁を殴った時とかか(笑)」
「あぁ、ボールが頭に当たったときとか、そんな音するわ。何かが当たって、聴覚やられんだよ。外部からの振動が中に伝わる感じ。」
「、、、、もう、バレーできないの?」
「俺がやらなくても、バスケの世界は回る。」
「何それ(笑)勇太のこと好きだったよ~、天才肌~」
「お前、天才の肩書きが欲しいんだろ(笑)」
「、、、、そうかもね(笑)まあ、そんな話は良いのよ、次の作戦を練ろうじゃないかぁ」

 雪も勇太も心を許さない。まるでお前達にはこの壁を壊せないかと言っているように。