![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/170939458/rectangle_large_type_2_6b45b8be1a30955869abcf2455b5693b.png?width=1200)
【長編連載】アンダーワールド~冥王VS人間~ 第二部ー67
「行きたいイベント」
「今、十朱さんに聞いたんだけど、
弥生ちゃんが言ってたイベントって、
ミニチュアとかもいっぱい売ってて見れるってホント? 」
真剣な顔をして入ってきたので、
弥生は驚きながら笑顔で説明した。
「参加されてる作家さん多いわよ。
そういえばこの時期になると秋のイベントもあるから、
私も昔はよく売ってたな」
弥生が思い出すように話し出した。
「安達君も興味があるんですか? 」
向井の問いかけに、
「うん。十朱さんも販売してたって」
「そうなんだ。
夏とか冬は屋内じゃないと暑かったり寒かったり大変だから、
私は春とか秋の屋外個展に参加してた。
結構売れたのよ」
弥生はニコニコしながら言った。
「イベントって、そんなに沢山あるんですか」
向井が驚いて聞く。
「ありますよ。
イベントで生活されている人もいますから」
「へえ~」
トリアも興味深げに頷いた。
「俺、行ってみたい」
「安達君がイベントに興味持つなんて珍しいよね。
行ってみる? 」
「でも、イベントだと、
この前みたいに倒れたらまずい……かな…」
「大きすぎると霊が集まるけど、
中くらいのイベントなら私達が行っても、
危険は少ないと思うわよ。
私は今でもよくイベントにいくもの」
「もう~声かけてよ~私だって行きたい」
トリアが文句を言った。
「今の次期だと、
○○○公園でもテントたてて、
色んな作家さんの作品が見られるわよ。
モールのイベントより木のある公園の方が、
悪霊になる霊の数は圧倒的に少ないから、
楽しめるんじゃないかな」
弥生はそういうとネットを開きイベントの参加者を調べた。
「安達君が好きなミニチュア作家さんもいるし、
アクセサリーもレザーも…
今回は私の好きな作家さんも……出てる! 」
そういって弥生が立ち上がった。
「このワンピはその作家さんから購入したの」
ふんわりとしたギャザーの切り替えが付いた、
チョコレートブラウンの洋服を見せながら、
参加者リストの作家を指さした。
「いいですね~手作り品のマルシェなんですね」
向井も興味深げにネットを覗いた。
「キッチンカーも出るから美味しいものも食べられるし」
「トリアも行くでしょ? 向井も行こうよ~」
珍しい安達の誘いに向井も笑うと、
「じゃあ、行こうか」
と言った。
「だったら……金土日で出店してるから、
混雑避けて金曜に行ってみる? 」
「行く!! 」
興奮気味の安達に向井達は笑った。
「………私も行きたいです」
「冥王は無理だよ。ここから出られないもん」
安達はそういうと弥生と楽しそうに話し始めた。
「………最近の安達君は牧野君に似てきた気がします」
「気のせいじゃないですか」
「………」
冥王はアヒル口をして向井を見た。
「それ可愛くないですよ」
その会話にトリアが可笑しそうに腹を抱えた。
いいなと思ったら応援しよう!
![八雲翔](https://assets.st-note.com/poc-image/manual/preset_user_image/production/i04f97ff72d86.jpg?width=600&crop=1:1,smart)