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【長編連載】アンダーワールド~冥王VS人間~ 第二部ー71
「AIロボ」
向井が休憩室に入ると、
牧野がポテチを食べながらテレビを見ていた。
源じいも休憩中で本を読んでいる。
その下をロボット掃除機がゴミを吸い取って動き回っていた。
『マキノ コボスナ』
AIには牧野が食い散らかすとインプットされているようだ。
『マキノチラカス。シゴトフエル』
「うるさいな」
牧野が足元のロボットに文句を言いながらソファーに寝そべった。
「ボンはおやつをこぼすからな。
私でも口から食べ物は落とさないぞ」
源じいはそういうと、
「そろそろ焼却も終わるかな」と、
笑いながら仕事に戻っていった。
「そういえば牧野君は発表会の演目決めたんですか?
皆さん申し込みされてますよ」
掲示板にエントリーする人は、
死神課までと張り紙がされていた。
催し物が少ないという事で今回、
第一回発表会が行われることになり、
冥界ではみんな楽しみにしているようだった。
「冥王が審査員をされるそうです。
見に来てくれた者たちからアンケートを取って、
上位三チームには、
有名店の美味しいもの詰め合わせがもえらますよ」
「えっ? ホント? 」
牧野が振り返った。
「誰がエントリーしてるの? 」
「ティンくんとセイくんはダンスを披露するそうです。
あと早紀ちゃんは一輪車。
佐久間さんは紙切り。
真紀子さんと弥生ちゃんは源じいのピアノ演奏で歌うそうです」
「源じいピアノ弾くの? 」
牧野が驚きの声を上げた。
「他にもチビ達はオクトさんと一緒に影絵をするとか……
そうそう虎獅狼と千乃も変化の術を見せてくれるそうですよ」
「なに? 妖怪どもも参加するのか?
だったら俺も何か……何か……」
牧野が腕組みして考え込む。
「何でもいいんですよ。
発表会なんですから自分の好きなことで」
「向井は出ないのかよ」
「俺は運営側なので、楽しませてもらいます」
向井は静かに笑った。
「ん~……!! 思いついた。
俺、ヨーヨーにする。
じいちゃん先生がヨーヨーで悪をやっつけるドラマの話をしてて、
俺もずっとヨーヨーやってたんだよね。
おかげで特技の一つになった」
「ヨーヨー凄いですよね。
世界大会を見たことありますけど、
もう何がどうなっているのか分からないくらいに、
くるくる回してました」
「そんな神業トリックなんかできねえよ。
だけど、基本のトリックは得意なんだよ。
ブレイン・ツイスターとか、
シュート・ザ・ムーンくらいは披露できる。
あとヨーヨーで物を倒すのも自信あるんだ~」
牧野はそういうとエントリーしに出て行った。
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