【詩】寝ぼけ眼
苦しみは憧れで満ちていて、
みんなそれを食べて生きている。
窓から見える空は青白くゆらいでいた。
夜と朝を飾る歓声が、空の真ん中でほどけていく。
光が眠るこのひとときを、自由だと感じる。
澄み切った自由は、染み渡る孤独だ。
僕の手はこの雲にも届かない。
後ろにいたはずのものたちが、
次々と僕を追い越して、空へと舞い上がる。
顔を出したばかりの太陽が、
おかえりなさい、と微笑んだ。
もうすぐ、憧れに満ちた朝が来る。
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