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上野先生の最新刊を読んだ。『こんな世の中に誰がした』を読む 1

上野千鶴子著 『こんな世の中に誰がした』を読んだ。とてもまっとうな発言なので、なるべく多くを紹介したい。 日本女性は働き者なのに貧乏 世界的に見て日本の女性はよく働いています。2022年の国際比較データによると五歳から六四歳までの就業率は74,3%で、OECD諸国の平均65,8%よりも、 アメリカの69,0%よりも高いのです。日本がサラリーマンと専業主婦の社会だという思いこみは、すでに過去のものになりました。  けれど、大きな問題があります。働いている女性の収入が低いことで

    • キャサリン・プライス 『スマホ断ち』を読む

      スマホのことを書き出したら止まらなくなったので、6月に読んだこの本の紹介をする。私はスマホを持っていないのでとても痛快に読んだが、25年3月31日で今、使っているがラケーが使えなくなるので4月からはスマホを持たなくてはならない。するとこの本の後半の「スマホ断ち」メソッドのお世話になるしかないのか心配だ。 スマホとの関係を振り返る  最初にはっきりさせてぉこぅ。本書の目的は、スマホをバスに礫かせてしまえとあなたを説得することではない。特定の人物との関係を終わらせることが、すべ

      • スマホを持った人たちは、なぜ「~ながらスマホ」をやめられないのか?

         街中を散歩していて必ず出会うのが、「~ながらスマホ」の人々だ。「歩きながら」「自転車に乗りながら」「車を運転しながら」スマホ画面を見ている人たちに必ず出会う。この人たちはどうして24時間スマホを手放せないのだろうか?「スマホは人類史上、最強のドラッグだ!」という話も聞いたことがある。「依存症」とは、自分が依存症だという自覚がないから依存症なのだとも言われる。スマホが人類に与えているものについて考えてみた。ご意見をお待ちしています。 SNSは大型バイクのようなもの(石井光太

        • 24年4月19日付 朝日新聞によれば、警察庁は大・中型車もAT免許導入を決めたらしい。このことによって、大・中型車の暴走運転が増え、多くの人がその犠牲になる日が来るようだ。

           わたしは今、マニュアル車に乗っている。なぜなら、ブレーキとアクセルを踏み間違えて暴走運転したくないからだ。私が免許を取得した頃(40年くらい前)は、マニュアル車が圧倒的に多くAT免許制度はまだなかった。「2022年には、普通免許(2種含む)を取得した約119万人のうちAT免許が73%を占めた。」そうだ。このことが、アクセルとブレーキの踏み間違いを引き起こしている。  マニュアル車が当たり前だった人は分かると思うが、クラッチを踏むことでギアを入れ、車が動くのだからマニュアル車

        • 上野先生の最新刊を読んだ。『こんな世の中に誰がした』を読む 1

        • キャサリン・プライス 『スマホ断ち』を読む

        • スマホを持った人たちは、なぜ「~ながらスマホ」をやめられないのか?

        • 24年4月19日付 朝日新聞によれば、警察庁は大・中型車もAT免許導入を決めたらしい。このことによって、大・中型車の暴走運転が増え、多くの人がその犠牲になる日が来るようだ。

          財務省が振りかざす「財政均衡主義」がまやかしであることは、皮肉にもアベノミクスが証明してしまった!!!

           森永卓郎『ザイム真理教 その信者は8000万人』を読んで、目から鱗が落ちた最も大きなことは、「日本の国債は1200兆円でこのままでは日本は滅びてしまう。だから、増税と財政を引き締めて国家財政を立て直さなくてはならない」という財務省の主張する「財政均衡主義」が全くのまやかしだということを教えられたことだ。消費税を廃止するということを主張できる政権がどこにいるだろうか?そういう言う意味では、与党も野党も同じ穴のムジナと言えよう。 第3章 事実と異なる神話を作る太平洋戦争で物価

          財務省が振りかざす「財政均衡主義」がまやかしであることは、皮肉にもアベノミクスが証明してしまった!!!

          財政均衡主義(プライマリーバランス)という教義が消費税という増税をわれわれに強いている!!!

          森永卓郎著 『ザイム真理教 それは信者8000万人の巨大カルト』を読んだ。われわれも8000万人の信者の一人だ。 先日投稿した誉田哲也著 『首木の民』を読んで以来、財務省の財政均衡主義というものを考えてきたが、そのことを正面から取り上げているのが、森永卓郎氏のこの本だ。誉田哲也氏は、高橋洋一氏の著作を参考にしていたが、森永氏のこの本は、経済の素人にもわかりやすく現在の日本を支配している経済学の理念(ザイム真理教の教義)について語ってくれているのがとてもいいと思います。  特に

          財政均衡主義(プライマリーバランス)という教義が消費税という増税をわれわれに強いている!!!

          勇気とは孤独に耐えること 内田樹 『勇気論』を読む 2

           以前、仲間と思った者たちはみんな「嘘つき」だったし、そこに集まったものたちが心酔していたものは「自分のことだけ気にしてくれないと気が済まない」とんだ自己チュウーだった。  職場の付き合いは所詮、定年になって職場を去ったら何の関係もなくなった。「おかしいことをおかしい」と言ったら、だれとも付き合はなくなった。読む本もあるし、見たいテレビ番組もたくさんある。身体が元気であればそれで十分だと思う今日この頃だ。  スマホを持つことを拒否し、クレジットカードも持たない。誰からも電話は

          勇気とは孤独に耐えること 内田樹 『勇気論』を読む 2

          内田樹 『勇気論』を読む 1

           内田樹さんの最新刊『勇気論』を読んだ。「なるほど!」と思った部分を2回に分けて紹介したい。少々長いがご一読いただければ、幸いです。 みんな何を怖がっているんでしょう p216 もちろん比喩的な意味でなら「殺される」ということはあるかも知れません。失職するとか、体面まるつぶれになるとか、誰からも相手にされなくなるとかいうことはあるかも知れません。でも、殺されるわけじゃない。 「食うか食われるか」とか「成長か死か」とか「万死に値する」とかいう過剰な物言いが濫用されていま

          内田樹 『勇気論』を読む 1

          乱読雑感  太田愛『未明の砦』 中山七里『絡新婦(じょろうぐも)の糸』  古内一絵『東京ハイダウェイ』を読む

           たて続けに三冊の小説を読んだ。一冊目は、太田愛の『未明の砦』。以前、図書館から借りていたが最初を読んだだけで他の本に浮気してしまった。古くからの友人が面白かったとブログに書いていたので、もう一度チャレンジ。読んでみたら、こんなおもしろい小説があるのかと思うくらい、はまってしまい、一気読みしてしまった。ある大手自動車会社(たぶんトヨタ)の製造工場で働く4人の非正規工員の話だが、作者の勉強ぶりに圧倒される作品だった。   二冊目は、中山七里の『絡新婦の糸』。最近よく取りざた

          乱読雑感  太田愛『未明の砦』 中山七里『絡新婦(じょろうぐも)の糸』  古内一絵『東京ハイダウェイ』を読む

          烏賀陽弘道 『ALPS水・海洋排水の12のウソ』を読む

           福島第一原発の廃炉処理に伴うALPS水・海洋排水の真実とは何かがわかる本書を読まずして、政府・東電の言うことを信じるわけにはいかない。   とりあえず、本書の目次を掲載する。ぜひ一読してもらいたい。 目次1 国内問題だった放射性物質汚染を国際問   題に拡大した2「海洋排水しか方法はない」3「タンクの置き場はもうない」4「ALPS水排水は被災地の復興に必要だ」5「ALPS水の海洋排水は廃炉を進めるため  に必要だ」6「ALPS水を海洋排水すればタンクはなく  なる」7「風

          烏賀陽弘道 『ALPS水・海洋排水の12のウソ』を読む

          エフイチの燃料デブリの取り出し 絶対できないことをやるやると言って言い訳をを作って永遠に先送りするセコイ奴らいい加減、10万年かかりますと正直に言えよ!!!

           本当にできるのかよ!と思っていたら、やはり「操作手順を間違えた」という言い訳を考えていたんだなぁというのが率直な感想だ。スウェーデンでは、死の灰を含む高レベル核廃棄物を地中に10万年保管する実験を始めたという現実的な報道がなされているのに、メルトダウンしたエフイチの1~3号炉では、メルトダウンした燃料デブリを取り出すなどと噓八百な広報をして世間の目をごまかし続けるしかできないんだと思います。

          エフイチの燃料デブリの取り出し 絶対できないことをやるやると言って言い訳をを作って永遠に先送りするセコイ奴らいい加減、10万年かかりますと正直に言えよ!!!

          誉田哲也 『マリス・アングル』を読んだ なぜ日本のメディアが権力の走狗になっているのかがわかった。

           岸田が敗戦の日に総裁選に出ないことを表明したが、その後自民党内の動きが活発化している。今後、ひと月にわたってメディアは自民党総裁選に誰が出たとか、誰が優勢だとかを報道し続けるだろう。30%まで落ちた内閣支持率を回復させるためにメディアをジャックして自民党政権を盛り上げるためにメディアは血道を上げるだろう。その根幹にあるのが「日刊新聞紙法」という法律にあることを誉田哲也に教えてもらった。  以下、本作から引用する。 「日刊新聞法のことですか」  こくりと、短く頷く。 「私

          誉田哲也 『マリス・アングル』を読んだ なぜ日本のメディアが権力の走狗になっているのかがわかった。

          山本義隆『核燃料サイクルという迷宮』を読む。 本書は「核燃料サイクルとは核武装という妄想を抱き続ける日本支配層の欲望を具現化したもの」ということを明らかにした渾身の書である! 1

          もう一つ、日本の支配層が「核燃料サイクル」に固執する理由は、核燃料の最終廃棄場所をあいまいにするためである。福島第一の燃料デブリの取り出しなどとんでもない!!10万年保管するしかない。地震、腐食等で崩れなければ・・・・  核爆弾を「原子力爆弾」と言い換え、核発電所を「原子力発電所」と言い換え、原発を核の「平和利用」と言い換えてもそれが大量の死の灰や原爆の材料となるプルトニウムを生み出し、その管理のために何十万年もかかかることを国民の前に明らかにすることを避けるために核燃料サ

          山本義隆『核燃料サイクルという迷宮』を読む。 本書は「核燃料サイクルとは核武装という妄想を抱き続ける日本支配層の欲望を具現化したもの」ということを明らかにした渾身の書である! 1

          今村翔吾の最新作「海を破る者」は傑作だった。ぜひご一読を!!

           今村翔吾氏が、鈴木保奈美がMCを務める番組「この本読みました?」に出演して、歴史小説家として一番すばらしいと思っておられ作家は誰ですかと尋ねられて、今村氏は「本当に言いにくいんですが、自分の書いた歴史小説が一番だと思っています。」と答えた姿がとても微笑ましく、その通りだと最新作「海を破る者」を読んで、思ったところです。  今村翔吾氏の小説は、直木賞受賞作の「塞王の楯」と受賞後作の「あかね雲」を読んだが、2作とも傑作だと言えるだろう。  今作の「海を破る者」は、元寇の128

          今村翔吾の最新作「海を破る者」は傑作だった。ぜひご一読を!!

          今野敏の隠蔽捜査シリーズもついに10巻となった。私は、この作品の警察庁キャリア官僚の「竜崎伸也」のファンである。

           今野敏の「隠蔽捜査」シリーズは、私のお気に入り小説のひとつである。   この作品の主人公である竜崎伸也は、警察庁のキャリア官僚であるが、この間、不祥事隠しで騒がれている野川明輝鹿児島県警本部長などとは真逆のキャリア官僚で、「国家公務員は国民のために尽くすのが本務である」と大真面目に考え、その通りに行動している稀有な男である。  現実には、野川鹿児島県警本部長を告発した前本田生活安全部長(本部長によって国家公務員法違反で逮捕された)や森友学園問題で財務省のキャリア官僚である佐

          今野敏の隠蔽捜査シリーズもついに10巻となった。私は、この作品の警察庁キャリア官僚の「竜崎伸也」のファンである。

          政府の言う「1200兆円の国債は国民の借金である」ということが大嘘であることを暴露した小説が出てきた!!

          「国家の借金は国民の借金ではない」ということを小説のテーマとした 誉田哲也の新刊『首木の民』は、国家のウソを暴いたとても素晴らしい作品と言えよう。その証拠を本文中から引用するので、みなさんよく考えてください。誉田哲也 『首木の民』より p214~p222「これは私が説明しなくても、佐久間さん(冤罪の久和を取り調べている刑事)ならいずれ、ご自分で計算できるようになります。そんなに難しい話ではありませんから。それよりも、財務省はなぜ国債を忌み嫌うのか、という話です」  今、ちょっ

          政府の言う「1200兆円の国債は国民の借金である」ということが大嘘であることを暴露した小説が出てきた!!