「AかBか」ではなく「AもBも」 テクノロジーとダイバーシティ&インクルージョンについて考えてみた
「つなぐ力」についての記事を書こうとしているのに、日記ばかり書いている。いかん、いかん。と、反省しながら、また日記を。
というのも、今日は、テクノロジーとダイバーシティ&インクルージョン、そして状況のとらえ方(問題設定)といったことに、ついていろいろと考えることがあったから。
今日は毎年恒例の新任師長研修。
毎年この時期にやっている研修で、とある病院の全国の系列病院から集まった70名弱の新任師長の方々を対象にした、対話型組織開発のエッセンスを盛り込んだリーダーシップ研修(2泊3日の研修の最終日)のようなもの。
これまでは東京の本部に集まってもらっていたが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、去年にひきつづき今年もZoomによるオンラインで実施することに。
ここで面白いことを聞いた。
「オンライン化せざるをえないことは分かっているが、とくにワークショップが主体の3日目は対面でやってもらいたかった」みたいな反響を予想していたら、「いろんな事情でこれまでは宿泊研修をあきらめていたので、オンラインで実施してもらって本当に助かった」という声がたくさん寄せられて驚いたとのこと。
「対面かオンラインか」、「デジタルかアナログか」みたいな話は、「AかBか」の二者択一の問題としてとらえられがちだけど、「Aでなければできないこと」もあれば、「Bでなければできないこと」もあるわけだから、この話は、「AもBも」の可能性を排除して、いきなり二者択一で考えてはいけないことを教えてくれる。
じっさいに、コロナ禍が一段落し、従来の対面型にもどることを念頭に置いて、「ハイブリッド型」での実施ができないかという要望も寄せられているそうな。
この話が面白いのは、オンラインで研修を行うテクノロジーが存在していなければ(そしてこれを使わざるをえなくなる大きな環境変化がなければ)、多様なバックグランドを持つメンバーへの研修機会の提供可能性が存在しないということ。
だから、子育てや介護といった事情によって、これまでは宿泊研修をあきらめざるをえなかったメンバーを念頭においた、ダイバーシティ&インクルージョンという問題意識そのものが、新しいテクノロジーによって生み出されていることになる。
「ハイブリッド型」での実施が現実味を帯びれば、ワークショップの流れをどう組み直すかで、かなり頭を悩ますことになるだろうけど、とても意義深い、「たのくるしい」取り組みになりそう。