リワーク日記30 人と比べず、少しずつでも焦らず歩みを進める大切さ
皆さんは自分の好きな色は何か答えられますか?そんなの簡単?
実は私は最近ようやく自分が本当に好きな色が何かに気がつきました。これまで私は青か緑が好きだという思ってきました。だから好きな色は青とか緑という風に言ってきました。
しかし、心の中ではどうもしっくりこない気がしていました。青は大好きだけれども、青だけだと何か物足りないのです。同じく緑も大好きなのですが、緑だけだと何かが欠けている気がするのです。
それなら自分の好きな色は何なのか?ずっとモヤモヤした気持ちがしていました。
それが最近、基本の色彩語に関する本を読んでいるときにその答えにつながる大きなヒントを見つけたのです。
皆さんもご存知の通り、かつての日本語では「緑」と「青」を区別して呼んでいませんでした。現在でも緑をアオと呼ぶ言葉が多く残っています。どうやら、それは日本語だけでなく多くの言語でかつては緑と青の色彩語の区別ははっきりしていなかったようなのです。日本語とは反対に、他の言語では緑から青が分離したようですが、青も緑も混然として同じ言葉で指されていたようなのです。
その本を読んでいるときに、私はあることに気がつきました。青と緑がひとまとまりにされた色。その中心となる色は、青と緑の中間である「青緑色」です。これは青であると同時に緑でもあります。そう、これこそ私が本当に好きな色なのだと気がついたのです。
そして、あの物足りなさの正体も分かりました。青だけだと緑が足りず、緑だけだと青が足りていなかったのです。私が求めていたのは、青でも緑でもある色だったのです。ターコイズブルー、ピーコックグリーン、ロビンズエッグブルー…。青と緑が混じった色こそが、私が本当に美しいと感じ、見ていると癒され、幸せな気持ちになる、一番好きな色だったのです。
ようやくスッキリした気分です。自分のことをまた一つ知ることができました。結果として、青か緑か、という思考の枠組みに囚われて、その中間にある答えに目が向いていませんでした。自分自身の中にある答えとは、他の人の決めた分類には必ずしも当てはまらないものです。
でもこれで、好きな色に囲まれた生活を実現できます。これから私の買うものはターコイズ色中心になることでしょう。見ているだけで幸せになれるのですから、素晴らしいことです。疲れたときにターコイズのものを見ればきっと癒されます。
皆さんも決まりきった色の名前にとらわれずに、自分の好きな色を自由に探してみてください。
さて、リワークに通っていると、これまで話をしていた人が気がつくとリワークを卒業して社会復帰していたという場面がよくあります。きちんとお別れは言えなかったけど、仲間が巣立つのは私にとっても嬉しいことです。
また、まだリワーク卒業はしていないけれども、最初は辛そうにしていた人が段々と元気を取り戻していって集団ワークに参加して笑顔を見せるようになる光景もよく見かけます。これも嬉しいことです。
私自身も少しずつ自分を取り戻して、社会復帰の準備を進めることができていると思います。先週書いたように求人検索を始めて、今週は履歴書や職務経歴書の作成に手をつけました。予定ではもう少し進捗ペースは早いはずでしたが、他に課題が入ったため2分の1週間分ほど遅れました。それでもちゃんと進んだので十分です。
自己分析はこれまで何ヶ月もかけて散々やってきたので、あとはそれを応募先に合わせて分かりやすく伝わるよう表現を考えて磨いていく作業です。最初はオーバーなくらいに言いたいことを盛り込んで、そのあと余分な部分を削って輪郭を明瞭にしていきます。
人と比べることなく、焦らずゆっくりでも前に向かって歩いています。これはあたかも、青か緑かではなく、青緑が答えなのだと気がつき、それを大事にして生きることに似ています。この積み重ねが大事だと本当に思います。
(参考文献)
『基本の色彩語 普遍性と進化について』,ブレント・バーリン、ポール・ケイ著,日髙杏子訳,法政大学出版局,2016年5月25日,初版第1刷