愛の国、ガンダーラ
自分の持つ能力、質、本質を「原液」と見なし、それを薄めることなく、どのように維持しながら前進し続けるかが、これからの時代を生き抜く上で特に重要な鍵となる。
原液が薄まれば価値も薄まる
活動の範囲を広げようとする際に直面する課題は、その過程で自分が持っている本質的な強みや特性が薄まってしまうことだ。しかし、成長という目標を追求しながらも「原液」―つまり、個人が持つ独自の価値や能力を損なうことなく広がる方法を模索しなければならない。
余計なコストはエッセンスの希薄化に繋がる
たとえば、クリエイターが活動の幅を広げようとすると、クリエイティブ以外のところにエネルギーやリソースを注ぐことが増える。組織化をすると、一見すると強さが増すように見えますが、それに伴う余計なコスト増加は、しばしば本来のコンテンツやエッセンスの希薄化を招いてしまう。きっと組織や活動が大きくなるにつれて、元来持っていた特色や強みが平均化され、一般化してしまうことに繋がるだろう。
いかに続けられるか
これを避け、コンテンツや活動の核心部分・強みを保ちながら歩み続けることは、多くの創造者や組織にとっての大きな課題だ。とくにこれからの時代は情報は益々増え、黙っていてもすべてが薄まっていく一方だからだ。この課題に対する解決策の一つは、力んで拡大を目指すのではなく、肩の力を抜き、提供するコンテンツやサービスを最小単位で維持させることに焦点を当てることだ。つまり、省電力モード。電池を長持ちさせる。とにかく長く続ける。そう、"続けること” を最優先に考え、その中で生じた複利的な価値や副産物に目を向ける。その方が生存率は高まりそうだ。
長期的な視点が重要
若い時に持てなかった長期的な視点こそが、年を重ねること(じじいになること)の唯一のメリットだと最近強く感じる。拡大や、華々しい結果ばかりを求めずに、とにかく継続することに重点を置き、ボディブローを打ち続ける。マイペースで歩むことで、信頼と影響力を獲得し、それが道を切り開き、結果的により強固な基盤を築くことが可能になる。
ガンダーラ
たとえば、SNSでフォロワーを獲得するためにフォロー&リツイートキャンペーンばかりしているアカウントに本質的なフォロワーはほとんど存在しない。すべてが無駄ではないと思うが、相当コスパは悪いと思う。数字を追い求めずに、表面的には地味に見えたとしても、コンテンツやサービスをブレずに一貫してやり続けることの方が、時間はかかったとしても確実に真のフォロワー獲得に繋がる。つまり、多くの先輩方が言うように、近道は無いのだ。たとえ、近そうに見えても結局遠い。まさに、辿りつけそうで、なかなか辿り着けない愛の国「ガンダーラ」そのものだ。
功を急がず、目先の利益を追わず、地道にやり続けて獲得した小さな信頼こそが本物の価値であり、目に見えないそれこそが、長期的に活動していくための唯一の活力と栄養になるのだ。
結局のところ、原液を薄めずに、その道を歩み続け、そのプロセスでたまたま見つけて拾ったものが「宝物」になる。
さぁ、愛の国、ガンダーラを目指して一緒に歩き続けようじゃないか。