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四字熟語で学ぶ―4 ◯四字熟語の書 ◯四字熟語を考える

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2016年10月の記事一覧

「渾崙呑棗」を考える

こんろんどんそう
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人からの教えの意味を考えずに、ただ受け入れるだけでは本当に理解することはできないことのたとえ。
「渾崙」は丸ごとという意味。「呑棗」は植物の棗(なつめ)の実を噛まずに飲み込むこと。
棗(なつめ)の実を噛まずに丸呑みしても、棗の実の味はわからないという意味から。元は仏教の言葉で、仏の教えについていった言葉。「渾崙棗を呑む」とも読む。
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「魂飛魄散」を考える

こんひはくさん
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ものすごく驚くこと。
「魂」は死後天に昇る魂。
「魄」は死後地上にとどまる魂。
魂が飛んでいって、心が空になるほどに驚くということから。
「魂飛び魄散す」とも読む。
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「魂」死後、天に昇る。
「魄」死後、地上にとどまる。

魂が天に飛んでいって、
魄か地上に散らばって、
しまうほど、驚くこと。

ものすこ

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「枯魚銜索」を考える

こぎょかんさく
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親や生きている間に孝行すべきであるという教え。「枯魚」は魚を干したもの。
「銜索」は縄を通すこと。
魚の干物は腐らずに長く持ちそうに見えるが、すぐに虫に食われてしまうということから、一見元気に見える親も、いつ死んでしまうか分からないということ。
「枯魚(こぎょ)索(なわ)を銜(ふく)む」とも読む。「枯魚銜索」とも書く。
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「洽覧深識」を考える

こうらんしんしき
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体験して得た経験や知識が多くあり、様々なことを知っていること。
「洽覧」は色々なことを見ること。
「深識」は様々なことを深く知っていること。
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「洽」 こう
    あまね(し)
    うるお(う)
    意味 ①うるおう
       ②あまねし
       ③広くゆきわたっている
      

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「擒縦自在」を考える

きんしょうじざい
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自分の好きなように人を処遇すること。
「擒」は捕まえること。
「縦」は逃がすこと。
捕まえるのも逃がすのも思いのままという意味から。
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「擒」 戦闘の際、いけどりにした敵。捕虜。比喩的に、心がとらえられ、夢中になって、逃げ出せない人。

「縦」 ①たて
    ②ゆるす はなつ

「自在」 思いのまま。

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「澆季溷濁」を考える

ぎょうきこんだく
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思いやりなどの人らしい感情が薄くなり、善悪や正邪の基準がおかしくなって、世の中が乱れること。
「澆季」は道徳や人情などが乱れた、時代が終わる寸前のこと。
「溷濁」は濁るや、汚れるということ。
「澆季混濁」とも書く。
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「澆」 ①そそぐ 水をそそぐ
    ②うすい あさはかなさま 人情がうすい

「澆季

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「銜尾相随」を考える

かんびそうずい
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一列に連なって、切れ目なく進む様子。
「銜尾」は後ろの馬が前の馬の尾をくわえること。「相随」は前のものについていくこと。
狭く険しい山道などで、前の馬の尾を後ろの馬がくわえて、一列になって前についていくという意味から。
「銜尾相随(したが)う」とも読む。
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前の馬の尾をくわえ、
前のものについていく。

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