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あしたのジョー2 アニメ✖️マンガ比較 第三十六話 葉子・・・新たなる企て

アニメおすすめ度 ★★★★★

マンガ版とアニメ版、一人ひとりのキャラクターの描かれ方が違う、なんて話はこえまでにも沢山書いてきたわけです。
この白木葉子もかなりマンガ版と扱いが違う。
金にものを言わせて自分の願望を確実にかなえていく葉子。
マンガ版ではどうにも子供じみたわがままな女性に見えてしまう彼女。
その原因は彼女の意図の汲み取れなさ、そしてその行動の身勝手さにあると思うわけです。
そこをうまく調整しているのがアニメ版。
今回はそれがかなり大きく出ている一話だと思うのです。

まず大きく違うのは、マンガ版で描かれる滝川修平という男。
まだ、それがどこの誰か判らない状態であったジョーの次なる挑戦者との試合をやることとなった日本人ボクサー、それが彼なのですが・・・。
完全にアテ馬ポジションなわけで、そのアテ馬となったがためにかなりの痛手を食らってしまう。
見た感じ、選手生命を断たれたようにも見える描写で・・・。
そんな葉子の身勝手に振り回された彼、アニメ版では登場しないわけです。

そしてもう一つ、イマイチ意図の判らない葉子の突然のジョーのホセ戦前の一試合。
マンガ版、読み解いていけば、確かにそこに葉子の意図を見出すことはできるわけですが、なかなかに分かりづらい・・・。
やはりここも身勝手な行動に見えてしまう部分なのですが・・・。
アニメ版ではキチンと、そこに彼女が何を考え、もう一戦を設けるに至ったかが語られるシーンが挿入される。
彼女なりの論理がそこには確かにあるわけなのです。
この時の彼女の論理もなかなか身勝手ではあるのですが・・・それでも、彼女なりの正義・信念が貫かれていることがわかる。
ならば、彼女の行動も理解できるってわけなのです。
アニメ版では彼女を身勝手な女としては描かない、そういった強い意志を感じるわけなのでした。

ここまでの物語についてはこちら。

脚本 高屋敷英夫
コンテ 竹内啓雄

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