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本当の初恋を、私は知っていただろうか

「運命の人は2人いる」という話を聞いたことがある。

1人目は、恋を教えてくれる人。嫉妬や激情を伴う、情熱的な恋。
2人目は、愛を教えてくれる人。お互いを支え合う、穏やかで安定した愛。

その言葉を聞いたとき、ふと宇多田ヒカルの「初恋」が頭をよぎった。

もしもあなたに出会わずにいたら
誰かにいつかこんな気持ちに
させられたとは思えない

初恋。

多くの人が、子どもの頃の憧れや、はじめて好きになった人のことを「初恋」と言う。
私も、そう思っていた。

けれど、大人になってから振り返ると、あの頃の気持ちは「本当の初恋」だったのだろうかと疑問が湧く。

私にとって、初恋とは何だったのか?


たった一ヶ月の、恋の記憶

一度だけ、本気で恋をしたことがある。

十歳近く年上の彼のことが好きで好きで、追いかけていた。
連絡が来るだけで舞い上がり、会えない日は寂しくてたまらなかった。
彼が元カノの話をするだけで胸がざわつき、どうすればいいのかわからなかった。

うるさいほどに高鳴る胸が
勝手に走り出す足が今
確かに頬を伝う涙が
私に知らせる これが初恋と

そう、あの頃の私は、これを「初恋」だと思っていた。

出会ってすぐに交際が始まったけれど、そんな恋は、たった一ヶ月で終わった。

突然、彼に振られた。
理由は「合わないと思うから」。

彼の好みに合わせようと服のテイストも変えて、音楽の好みも変えたのに。

何が合わなかったのか、私にはわからなかった。
ただ、彼が去っていくのを、どうすることもできなかった。

燃え上がるように恋をして、燃え尽きるように終わった。

後になって気づいた。

私は、彼を「愛していた」わけじゃなかった。
「彼が好き」という気持ちに、自分が溺れていただけだったのだ。

恋を知ったのは、彼のおかげだった。
でも、それは、私が心から求めた愛ではなかったのかもしれない。


夫と出会い、愛を知った

それから時が経ち、私は夫と出会った。

彼と付き合うまで、私はまともに男性と向き合ったことがなかった。
どこかで男性を見下し、「どうせ男なんて」と冷めた目で見ていた。

けれど、彼は違った。

私の言葉に耳を傾け、私の感情を大切にし、私の存在を「当たり前」ではなく「大切なもの」として扱ってくれた。

彼といると、私は私でいられた。

「好きで好きでたまらない!」と叫ぶような感情ではなかった。
嫉妬や激情に振り回されることもない。

ただ、彼と一緒にいる時間が、穏やかで、心地よくて、愛おしかった。

風に吹かれ震える梢が
陽の射す方へと伸びていくわ

彼と出会い、私は変わった。

男性を見下していた自分が、「彼とずっと一緒にいたい」と思うようになった。

この関係を守りたい。
この人と、同じ未来を歩みたい。

そう思ったのは、はじめてだった。


私にとっての「初恋」

私はずっと、あの一ヶ月の燃えるような恋を「初恋」だと思っていた。
けれど、今の夫と出会い、共に生きる道を選び続けている今、気づいた。

小さなことで喜び合えば
小さなことで傷つきもした

私にとって、本当の「初恋」は、夫だったのかもしれない。

燃え上がるような恋ではないけれど、彼と出会わなければ、私は今でも「愛」を知らずにいたかもしれない。

恋を教えたあの人。
愛を教えてくれた夫。

どちらも、私にとって大切な人だった。

もしあのとき、夫に出会わずにいたら、私はただ生きていただけだったかもしれない。

もしもあなたに出会わずにいたら
私はただ生きていたかもしれない
生まれてきた意味も知らずに

この歌を聴くたびに、私は思う。

「運命の人は2人いる」と言うけれど、私にとっての「初恋」は、最後にたどり着いたこの人だったのかもしれない。


✒️ーーーー想いは駆けるーーーー🐎

文筆屋ことロップ代表
茨木彩菜〈ペンネームはアヤコ〉


幼少期から日記、エッセイ、小説を執筆する。大学卒業後は中学校国語教員を務め、出産をきっかけにwebライターに。多世代共生社会実現のため、介護職に従事。現在は文章コンサルタントとして、「自信を持って書ける人」を増やす活動に専念する。

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・webコンテンツの企画・執筆・代筆・添削
・HP文章の執筆、添削
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