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チャネリングに勧められて墓参りしたらご先祖から「まる」もらった
チャネラーに「おじいさんがお墓参りに来てほしいそうです」と言われた。「えっ、正月も行ったのに!?」と思わず声が出た。盆正月だけでなく、春秋のお彼岸にも墓参りしている。今頃の若いもんにしてはマメな方だよ!と亡き祖父に反論したくなったとき、
「ご先祖様にもご紹介したいみたいで」
「はぁ……」
見えない世界のシステムはよく分からない。チャネラーさん曰く、普段からも祖父は近くで見守っているらしい。墓参りをリクエストするのは、ご先祖ネットワークに打ってつけの場所だからなのか?
ご先祖ネットワークがラジオの電波だとしたら、そりゃ電波塔に来た方がビンビンに入るだろう。感度抜群に違いない。
正解は分からないけど、そう言うなら参ろうじゃないか。
いつも線香だけ持って行くのに、今日はお供えの花とカップ酒まで買った。仏花を探していると、ピンク色のチューリップと菜の花が目に入る。昨日は雪が降ったけど、もう三月も近づいている。春だ。
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私の名前には「菜」が付いているので、ちょうどいい。レジで店員さんが「春ですねぇ」と微笑んでくれたのも、心があたたまる瞬間だった。
昨日は広島市内でも雪が積もっていたが、一日ですっかり溶けて路面には積雪もない。車で坂を駆け上がり、見晴らしのいい高台へ。
線香よし、ライターよし、花よし、カップ酒よし。
墓地の入口で水を汲もうとすると、桶の中に残っていた水が凍っていた。
そりゃそうだよね。寒いもんな。
お墓の前に辿り着くと、まだ綺麗な花が供えられていた。
「あるんかーい」
思わず呟いた。おばさんが定期的にお参りしているのかもしれない。きれいな桃と冬咲のアヤメが墓前を彩っていた。
チューリップと菜の花が同居できるのか?どっちも茎が太い。
でもせっかく買ってきたし供えたい。
と、思ったら……。
「凍っとる……!!」
花立の水がカッチコチに凍っていた。
表面だけでなく、底までしっかり凍っていた。よく見れば花弁も寒そうに霜を被ってる。
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「はは、なんだこりゃ。だめじゃん」
思わず笑った。
気合いを入れてわざわざ花を買ったのに。
花立の氷はすぐに溶かせるものでもない。
諦めて、花は墓前に横たえた。
高台は風が吹きつけて、体がプルプル震える。お墓に水をかけるかけない問題は結局どれが正解なのか分からない。けど「いいよ」と言われた気がして、少しだけ水をかけた。
お墓も凍っていたのか、水をかけると幕を張った氷と共に流れた。
セリアで買ったライターで安物の線香に火をつける。
なんとなくキリがいいので3本。
「近況報告するといいですよ」ってチャネラーさんが言ってたので、祖父の書斎のソファに座ったつもりで話をしてみた。
昨年の夏に開業したこと、今やってる仕事、ここ数年大変だったけど学びがたくさんあったこと。これからやりたい仕事のことなど色々話した。
目を開けると、墓石に掘られた「石田家」の文字が目に入った。
なんの変哲もない、日本にはよくある苗字。
桓武平氏が由来ならカッコいいけど、多分石の多い田んぼに住んでいただけかも。母の旧姓で名乗ったことはないが、縁のある名前。今日はそのありふれた苗字が重く写った。
この墓に眠る人の半分以上を、私は知らない。
祖母も曽祖父も曽祖母も、私が生まれる前に亡くなっていた。
仏壇にある顔写真しか情報はなく、滅多に話題がのぼることもない。
でも継いでいるのだ。
この人達の血を、私は確かに。
歴史に名を残すような偉業ではないけれど、彼らが次世代へと命のバトンを繋いだ。家庭を築き、守り、育てた。それだけでも十分に偉業に思えた。
その名に恥じぬように生きていけ。
この一族の血を引くことを誇れ。
そんな思いが胸をよぎった。
名残惜しいが話も尽きて帰ろうとした時、カバンの中で「チャプン」と音がした。カップ酒をカバンに入れたまま、供えるのを忘れていた。
はいはい、こっちね。
男性陣には花より大事だよねと苦笑しながら、瓶を開けてチューリップの横に供えた。
「乾杯」
安いからと手に取ったカップ酒。
銘柄は「まる」だった。
意図せずもらった合格に、私はふっと笑った。
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文筆屋ことロップ代表
茨木彩菜〈ペンネームはアヤコ〉
幼少期から日記、エッセイ、小説を執筆する。中学校国語教員を8年間務め、出産をきっかけにwebライターに。多世代共生社会実現のため、介護職に従事。現在は文章コンサルタントとして、「自信を持って書ける人」を増やす活動に専念する。
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