【短歌一首】 参道の枯葉溜めたる歩道橋遠近法で原宿捉ふ
朝、JR総武線の千駄ヶ谷駅で降りて、神宮外苑の銀杏並木を見ながら明治神宮までいき、明治神宮の杜の北参道・南参道と歩き、原宿駅前まできた。
この原宿駅前から青山通りまでの約1.1キロメートルの道が「表参道」。 今は原宿から青山の洗練された商業地域として世界的に有名であるが、もともとは1919年に整備された明治神宮の主要な参道。
すでに結構歩いた気がするが、もう一足延ばして、原宿から青山通りまで表参道を歩いてみる。
原宿の表参道には歩道橋が二つある。 以前は原宿駅を出てすぐの場所にもう一つあったのだが、老朽化などを理由に2014年に撤去された。
中学生の時に大晦日から元旦にかけて友達3人と明治神宮に初詣に行き、そのまま朝まで原宿付近をブラブラしていた。この時今は撤去されてしまった原宿駅前の歩道橋の上から眺めた青山通り方面に昇る初日の出は本当に美しかった。(大晦日から元旦朝まで外をほっつき歩いていたので、ものすごく寒かった上に家に帰ったら元旦早々親に叱られた。)
今ある歩道橋の一つが神宮前四丁目の歩道橋。表参道は原宿から青山通りまで約1.1キロメートルあるが、その中間点辺りで明治通りと交差しており、その辺りがちょうど谷のように低くなっている。
なので神宮前4丁目の歩道橋から表参道を眺めると、原宿方面も青山通り方面も、坂を少し見上げるような形になる。
そしてもう一つある歩道橋が、神宮前5丁目の歩道橋。 表参道の青山通り側の終点近くにある歩道橋。
神宮前5丁目の歩道橋から原宿方面を眺めると、街路樹のケヤキ並木がとてもよく見える。初冬となりすでに全体が黄色に色づいている。
表参道の街路樹が何の木であるかをよく注意して見たことがなく、勝手に銀杏並木だと思っていたら、今回ケヤキであることを学んだ。子供の頃から黄色に色づく街路樹=イチョウ並木という先入観が染み付いてしまっていた。
確かに歩道橋に溜まっている枯葉は銀杏の葉ではなく、ケヤキの葉っぱ。街路樹一つ一つもよく観察すれば新しい発見がある。
中学生の頃から何度も来たことのある表参道の街路樹が、銀杏ではなくケヤキと今ごろになって気づくとは情けない限り。
そういえば中学3年生の時、夏休みの美術の宿題で「遠近法」を用いた絵を描くというのがあった。その時には当時住んでいた街の国道の上の歩道橋で友達と一緒にそこから見た大通りの風景を描いた。
今度、歩道橋から眺めた表参道のケヤキの街路樹と原宿の街を、遠近法で描いてみようかな。
猫間英介