【短歌一首】 墓誌に水掛けて濃くなる戒名に在りし日の影次々浮かぶ
久しぶりの墓参り。
墓地の掃除をして、花を供え、線香に火を付けて、手を合わせる。
静かな時間の中で、自分が一緒に過ごしたことのある祖父母、父母、兄弟姉妹のことを反芻していく。
墓石のそばの墓誌にヒシャクで水をかけていくと、墓誌に刻まれた戒名が濃く浮かび上がってくる。
一人一人の戒名と命日を確認しながら水を何度もかける。戒名はすべて覚えていないが、命日はよく思い出せる。
みんなの元気だった頃の顔、姿、声、仕草が次々と浮かんでくる。
もう少し頻繁に墓参りに来ようかな。
猫間英介