伝記の面白さ
小学生の頃から、よく伝記を読んできました。なぜ伝記が好きなのか。理由はないんだと思います。他人の人生に興味がわくのは、ごく自然なことです。
たくさんの伝記を読んだなかで、私が最も引き込まれたのは、桐生操さんの『天才たちの不思議な物語 神に愛された人、見捨てられた人』(PHP研究所)でした。おそらく桐生操作品のなかではマイナーなほうで、オススメの本として名前が挙がることも少ないでしょう。
この本で私が読んだのは、ジャン=ジャック・ルソーの章とブロンテ姉妹の章です。ルソーに関しては、独学と放浪という生き様に感銘を受けました。また、エミリー・ブロンテの閉鎖的な生活と豊かな想像力とのコントラストが印象的でした。どちらも、孤立無援の状況で異常な才能を発揮したというところに、当時高校生の私は強く憧れを感じたのです。
その後、ルソーの著作は何冊か読みましたが、自伝の『告白』は途中で挫折し、エミリー・ブロンテの『嵐が丘』も挫折したままです。結局、マイナーな本のほうが、自分には感動的だったということになります。
これもまた人生ですね。
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