『ハサミ男』読後

くりぃむしちゅーの有田哲平が「ダマされた」とテレビで語っていた本作。

存在は知っていたが読んだことはなかったので、いい機会だと思い読んでみた。

　

いわゆる叙述トリックが中心となっている。

綾辻行人の『十角館の殺人』などで耐性がついていたため、そこまでの衝撃はなかった。

ある程度は予想もできた。

トリックの性質上、映像化不可能と思いきや、2005年に映画化されていた模様。

もちろん、原作そのままの形ではないようだが。

　

本作品の面白い点は、典型的な安楽椅子探偵モノと思わせておいて実はそれには裏があった、というところだ。

一見、無意味に思える作業に捜査の真髄が隠されていた！という展開を期待するのだが、見事にそれが裏切られる。

そういう意味では、たしかにダマされた。

　

ちなみに作者の殊能将之は名古屋大学理学部中退で、有田哲平は立教大学法学部中退。