読了!上橋菜穂子「獣の奏者Ⅲ」
《粗筋》
愛する者と結ばれ、母となったエリン。ある村で起きた闘蛇の大量死の原因究明を命じられ、行き当たったのは、かつて母を死に追いやった禁忌の真相だった。夫と息子との未来のため、多くの命を救うため、エリンは歴史に秘められた真実を求めて、過去の大災厄を生き延びた人々が今も住むという遥かな谷を目指すが……
《感想》
今更言うことじゃないけど、描写が繊細で闘蛇、王獣等、その他場景が頭に浮かんだ。
重たい(物理的にも内容的にも)けど好き。
《引用》
肌が熱くなるような興奮をそっとしずめた。
突破口が見えたような気がしたときほど、気をつけねばならない。頭の中が、ひとつの道を探ることでいっぱいになって、ほかの可能性を考えることが、おろそかになってしまうからだ。(P79)
「全部ほんとうのおれだよ。指物師のおれも、襲撃されたら冷酷に反撃するおれも、ほんとうのおれだ」(P373)
(2021/7/20)
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