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読了!小坂流加「余命10年」

《粗筋》
20歳の茉莉は、数万人に一人という不治の病にかかり、余命が10年であることを知る。笑顔でいなければ周りが追いつめられる。何かをはじめても志半ばで諦めなくてはならない。未来に対する諦めから死への恐怖は薄れ、淡々とした日々を過ごしていく。そして、何となくはじめた趣味に情熱を注ぎ、恋はしないと心に決める茉莉だったが。涙よりせつないラブストーリー。


《感想》
"余命"とか"生"とかそうゆう話から逃げたかったはずなのに読んでしまった。

小坂流加さんと重ねながら読んだから重みが半端じゃなかった。命って儚いよな〜。散るからこそ美しいとかって言われてるし、俺もそれは分かってるから、いつ死んでも良いように生きてるつもり。でもいざ死ぬってなったら滅茶苦茶に怖いんだろうな。どれだけいろんなものに触れて、経験して、勉強して、積み重ねても、死んだら全部終わりか〜。なんか寂しくなってきた…😅

生きたくても生きられない奴だっているんだよ。っていうあの台詞はあんまり好きじゃないけど、ノンフィクション混じりってことも踏まえるとその台詞が心にじわじわ滲みてくる。そんな一冊だったね。


《引用》
強くなりたい。強くなりたい。
心が固まっちゃうくらい、強くなりたい。(P57)

優しさに満たされると同時に己の汚れに気付く。(P63)

命が恋しくて、時間が愛おしくてたまらない。(P223)

病気になっていろんなものを失った。急速に両手から零れ落ちていくのを止められなくて、怖くなって、だったらいっそ自分から捨ててしまおうと手放したものもたくさんある。(P335)
(2021/1/20)

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