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こんな本を読んだ 『漱石のことば』

比較的最近読んだ本の感想を、書下ろしで投稿しています。古い本が多いです。『安っさんのこんな本を読んだ』というマガジンにまとめます。

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『漱石のことば』

姜尚中(かんさんじゅん)の、『漱石のことば』を読みました。

姜尚中さんは、在日韓国人の政治学者、思想家、エッセイスト。東京大学名誉教授。ベストセラー『悩む力』など多くの著作があります。

本書は、著者が半世紀以上にわたり愛読してきた漱石の著作の中から、148の言葉を厳選し、混迷の21世紀を生きる私たちに生きる指針を示す、人生の座右の書ともいうべき本です。

さて、本書に次のような一節がありました。

彼は門を通る人ではなかった。又門を通らないで済む人でもなかった。要するに、彼は門の下に立ち竦んで、日の暮れるのを待つべき不幸な人であった。

(夏目漱石『門』からの引用文)

「門」に拒まれ、途方に暮れる宗助です。逃げ道はないようです。しかし、それが生きるということかもしれません。私も少しずつ覚悟ができるようになりました。

(姜尚中による解説)

私が以前に書いた『それから』『門』についての感想では、残念な主人公の(姜さんもそんな言い方をしています)の残念な行動についてのみ書きました。

しかし、いずれの主人公も、いよいよ追い詰められて逃げ道がなくなったとき、生きるためのの覚悟をしたのだと姜さんは言います。彼らはそこでひとつの成長をしたわけです。

主人公は残念な人のままで終わったわけでない。私はそこまで読めていませんでした。

本書は、漱石の148の言葉を通して、人間の業やどうしようもなさ、欲やなさけなさ、そしていとおしを伝えてくれる、人生の教科書です。

私が最期まで手元に置いておきたい一冊となりそうです。


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